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第2話
「志童、俺たち男同士だから結婚できないからな?」
「でもセックスはできる、ここ使って」
「ひっ!」
腰の後ろから回ってきた手に、尻の穴の辺りを撫でられた。
「俺、男同士でもセックスできるって知った時、天心とできるんだって思って嬉しかった」
「できねーよ! 俺が同意してないもん」
「同意してください」
「絶対にイヤだ! っていうかお前それ……」
ただでさえデカい志童の体が膨れあがり、ふさふさの尻尾と耳が揺らめいて見えた。
志童の家は犬神憑きの家系で、コイツにはガキの頃から犬神が憑いている。
一方俺の家は拝み屋の家系であって、コイツに憑いた犬神を鎮めるのは俺の役目みたいなものだった。
「お前コーフンすると犬が出るだろ、やめろ!」
コイツは犬神の影響でヒトより本能に忠実だ。
「やめたくない、天心とえっちする!」
「くそっ! 犬ごと封印するぞ!」
もみ合いになるが、犬神の力が宿った志童には腕力では敵わず……。
(マズい、犬を鎮める前に俺がヤられる!)
貞操の危機に、本気の冷や汗が出た――。
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