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痛みと歓びとー1(R)

 高柳はベッドの上に山中を俯せに押し倒すなり、尻だけを高く持ち上げて下着ごとズボンを脱がせ、ベッドの下に放り投げた。  他人のそんなところを見るのは設楽には初めてのことだったが、不思議なほど嫌悪感はなかった。ただ、脚の間に体を入れて、めいいっぱい開いた体を固定する高柳を、いきなりこんな事するなんてずいぶん即物的な奴だと不快な気分になった。 「イヤだ高柳!やめろ!」 「設楽がお前の分まで飲みやがったから、お前酒が足りてねぇだろ」 「なに…?」  言うなり高柳はヘッドボードに置いてあった小さな小瓶の蓋を開け、口に含むと山中の後ろの窄まりに口づけ、流し込んだ。 「やっ!お前何入れたっ!?」 「安心しろ、腸内吸収は胃より速いから、ちゃんと水で割ってある」 「高柳……!」  そんな所にそんな物を置いているということは、最初から今日のことを計画していたということか。忌々しげに山中が高柳を睨むが、彼は全く気づいていないかのように作業に集中していた。  今入れたアルコールが逆流しないように、高柳の中指が後孔に第一関節まで差し込まれると、山中は苦しそうに呻いた。 「ごめんな、ジェルも塗らずに挿れたりしたら痛いよな?もう少しだけ辛抱して」  やっていることはひどいのに、声だけはひどく優しかった。右手はそこに残したまま、乗り上げるようにして後ろから抱きしめると、左手で頬を撫で、首を捻らせて唇を重ねる。山中は最初はイヤそうにもがいていたが、右手の中指がぐちゅりと音を立てて動くと、「っんん…」と、甘い息を吐いた。指を挿れていたのはそれほど長い時間ではなく、しばらくしてゆっくりと引き抜くと、山中の内股がひくりと震えた。  食事の前に中途半端に刺激されていたのだ。酒の力と相まって、山中の体は彼の意に反してすぐに火が点いた。 「ユキ、愛してる」  高柳は山中の体を仰向けにして重なり、もう一度唇を合わせた。ゆっくりと髪に指を絡ませ、クチュリと卑猥な音を立ててキスをしている。舌が絡まり合い、唾液が口の端から糸を引く様子が、設楽の目にやけに生々しく見えた。  最初はイヤそうに寄せられていた眉が、段々弛んで、違う意味合いを持たせてアーチを描く。唇が外れて、山中が白い喉を晒してのけぞると、高柳はすかさず首筋に舌を這わせ、浮き出た腱に甘噛みした。 「設楽」  名前を呼ばれ、だがそれが自分の名前だとは気づかぬほど、設楽は2人の様子を貪るように見つめていた。山中のTシャツが首の辺りまで引き上げられ、素肌に高柳の指が絡みついている。あぁ、その滑らかな肌に、舌を這わせたい……! 「設楽、お前、まだ質問に答えてなかったな」 「……」  ハァハァと、自分の呼吸の音ばかりが聞こえてくる。耳障りだ。先生の声だけを聞いていたいのに。 「設楽!」 「あっ?」  いつの間に振り返っていたのか、高柳と目が合って狼狽えた。高柳が視線を下に動かし、設楽の勃ち上がった下腹部を見て口元を緩めた。 「ちゃんと勃ってるじゃん。で、お前、ユキに抱かれたいんだっけ?それとも抱きたいんだっけ?」 「俺は……」  設楽の声を聞いて正気に戻ったのか、山中の震える指が高柳の肩にかかり、引き離そうともがいた。だが脇腹をなぞられて、腰骨を指に這わされると、眼差しはきついまま、ねだるように腰を揺らす。心を裏切って快楽に染まっていく先生は、なんて綺麗なんだろう。  今まで想像してきた以上の山中の媚態に惹きつけられる。高柳がちらりと自分を見たことにも、設楽は気づかなかった。
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