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痛みと歓びとー2(R)

  「まぁ、お前が抱きたいって言ってもそれは許さないんだけど」  高柳のからかうような声に意識を引き戻され、思わずカッと頬に血が上った。  そうだ。先生を快楽に染めているのはこの男だ。こいつが何を考えてるか分からないけど、俺の先生への気持ちが許せなくて、俺に見せつけようとしてるのだけは分かる。悔しくて、設楽は高柳を睨みつけた。 「じゃあ抱かれたいって言ったら先生が俺を抱いてくれるのかよ!言っとくけど、俺はずっと先生は上だと思ってたし、今だって先生が攻めてきたら、そりゃすげぇ格好いいんだろうなって思ってるよ!」  その返事に、高柳は満足そうに笑った。設楽を見ながら、山中の頬に音を立ててキスをする。 「じゃあ、こいつの可愛いとこ見てやってくれる?俺に攻められて尻から涎垂らすこいつ見て、それでもまだこいつに抱かれたいって思うんなら、お前のバージン、ここでこいつに掻き切ってもらえ」  バ……?  え……?  今こいつなんて言った……!?  聞き返そうと思ったが、その時にはもう高柳はのめり込むように山中の体に沈んでいった。 「ユキ、ユキ可愛いよ。さっきは途中でごめんな。まだ体疼いてるだろう?ほら、もう胸も尖ってる……」 「っは、高柳……ん、よせって……」  高柳の舌が鎖骨の窪みを辿り、唇で胸の突起を軽く挟む。  まるで、そうされているのが自分のように、設楽の胸がずきずきと疼いた。  先生の声……。  先生の……。  足下がふらふらして、自分の体が自分の物ではないように感じる。ダメだと思っても、体が言うことを聞かない。  酒のせいだ。  酒のせいで……。  高柳に組み敷かれた山中の胸を見て、ごくりと喉が鳴った。  ダメだ。こんな事ダメだ……。そう思いながら、そっと、自分の胸を抓んでみる。山中がそこで感じているのかと思うと、自分のそこもきついくらいに感じた。  高柳の腕が山中の体の中心を、胸から下腹に向かって降りていく。設楽も、自分の胸から下腹に手を伸ばし、下着の中にそっと入れる。そこはもうトロトロに蕩けていた。  俺、何でこんな所で、こんな事……。  必死に止めようと思っても、設楽は熱に浮かれたように、自分の昂ぶりに手を這わせた。 「ユキ、ユキ」  何度も名前を繰り返し、高柳が山中の中心に顔を埋める。愛おしそうに頬ずりをし、ねっとりと舌を這わせ、そのまま口をすぼめて先端をキュッと吸うと、山中が「んんっ!」と小さく叫んだ。 「たか…」  潤んだ目には、もう理性が残っているようには見えなかった。左手の甲を自分の口に押し当てて、右手を高柳の髪にさしいれ、山中は高柳の頭がスライドするのに合わせて小さく喘いでいる。  設楽も、気づくと自分自身を上下に扱いていた。  高柳がゆっくりとスライドしているときはゆっくりと、ジュブジュブと音を立てて激しく律動するときは激しく。そうしていると、喘ぎ声まで山中のものに重なっていった。 「うっ…ん、あっあっ……!」 「ふぅっ……んんっ!」  山中の声が張りつめて、設楽もきつく目を閉じて、2人は同時に達った────。  一度射精して、目が醒めたように正気に返ると、自分の行為に愕然とした。一気に酔いが醒めていく。  俺、なんて事を……。  荒い息を繰り返しながら、呆然と自分の右手についた白濁を、初めて見る物でも見るように見つめていると、高柳が設楽を振り返った。まだネクタイを外し、Yシャツのボタンも二つ目まで外しただけで、残りはしかっり留めている。そんな姿で唇の端から滴り落ちる白濁を指先で拭い、その指先を旨そうに舐めている様が、悔しいけどやっぱり雄の色気を漂わせ、嫌味なほど格好良かった。

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