24 / 111
痛みと歓びとー4(R)
「見てみろよ、ユキのここ、綺麗だろ?」
高柳のジェルをたっぷり塗った指が、後孔にゆっくりとあてがわれた。人差し指と中指で円を描くように優しくタッチし、そっと指で入り口を拓くように揉みほぐす。それは意外なほど、優しく丁寧な動きだった。
思わず唾を飲み込んで、解されていく山中を見守った。本当だ。朱鷺色の窄まりがジェルでプルプル光って、なんだかすごく卑猥で、すごく綺麗だ……。
「や、やめ……っ!ん、高柳っ!そんな所見せるな……っ!」
後ろへの刺激だけでなく、設楽の視線まで受けて、さすがに山中が嫌がって体を揺する。そんな反撃は想定内なのだろう。高柳は器用に抵抗を封じて、ジェルを内部にまで塗り込めていった。
「ひっ、ひぅ……っ」
高柳がそこで指を蠢かすたび、山中が小刻みに吐息を漏らす。シーツに顔を押しつけて、いやいやをするように首を振る山中に、設楽は生唾を飲み込んでしまい、そんな自分に自己嫌悪する。
「恥ずかしがるなよ。綺麗なモンは綺麗なんだから。お前が浮気すんのは許せないけど、一度他の奴に見せびらかしたかったんだよな」
「最低だなっ、お前…」
「突っ込みたくて浮気する奴に言われたくねぇよ」
「うるせぇバカ!だったらお前がネコになれ!」
山中の威勢が良いのはそこまでだった。
2本目の指がグニグニと曲がりながら入っていくと、山中は急に切羽詰まった声を上げ始めた。
「あぁ……っ!!や、んんっ、よせ!ちょ……そこばっかり……!」
「ど、どこ?」
いきなり様子の変わった山中に、設楽は思わず高柳のシャツの肩を掴んで、詰め寄ってしまった。
「前立腺だよ。ネットにも書いてあったろ?」
うわ、それが噂の……!
「ユキ、もう1本挿れるぞ」
山中はシーツを掴みながら、それでも小さく頷いた。
「はぁっ…ふ……」
胸を小刻みに上下させて、シーツを引き寄せて口元に引き寄せる。顔が半分隠れて、なんだかよけい官能的な眺めになった。
指が3本中に入ると、シーツに隠れた山中が、堪えきれずに喘ぎ声を上げ始めた。低い、押し殺したような、だがひどく甘い声。
山中に差し込まれた3本の指がバラバラに動いているのか、綺麗な蕾が奇妙な形にうねっている。痛そうな気がするのに、山中の口からはやはり小刻みな喘ぎ声が出てくるばかりだった。
「それ、そんなにして大丈夫なの?」
「こんなにしないと拡がらないだろ?じっくり時間かけて拡げてやんなきゃ。俺、ユキが痛い思いするのやだもん」
「……そんなに先生のこと想ってんなら、なんで俺連れて来たんだよ。先生嫌がってんの、分かってんだろ?」
高柳は一瞬まじめな顔で何か言いかけ、すぐに思い直したように首を振ると、誤魔化すようにニヤリと笑った。
「こういうのは、丁寧に、カツじっくり時間かけて焦らしてやるのがおいしいんだろ。ユキ、そろそろ良いか?」
「ん、高柳、も……」
「うん、顔、見せて」
シーツをそっと外して、優しく口づける。山中は一瞬設楽を見たが、すぐに苦しそうに眉を寄せ、高柳の首に腕を回してね口づけを深くした。
ちゅくっと音を立てて、合わさった唇から赤い舌が覗く。山中は自分の腰を、高柳の腰に押しつけようとした。
だが。
「ユキ、せっかくだから、設楽によく見えるようにしてやろう?」
「え?」
ともだちにシェアしよう!