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痛みと歓びとー6(R)

「ほう、経験がない訳じゃないのか。中坊の時から俺と寝てるくせに!お前だって細かくつまみ食いしてんじゃねぇかよ!じゃあもうお前に文句言う権利ないな!設楽!」 「は、はいっ!」  振り返った山中はやたらと男らしくて、こんな状況なのに、やっぱり先生格好良いなぁと見惚れてしまう。 「こっち来い」 「はいっ!」  速攻で山中の脇まで這っていき、ちょこんと正座する。まるで自分まで一緒に怒られているかのように神妙な顔をする設楽の頭を、山中は良し良しと撫で、それから真っ直ぐに設楽の目を覗き込んだ。その目はなんだか切なくなるほど真剣で、設楽の胸をざわざわと締め付ける。 「お前、本当に良いのか?こんな所で、こんな風に、俺なんかに初めてあげちゃって」 「……俺、先生に貰って欲しいんです」 「分かった。じゃあ、俺がちゃんと抱いてやる」 「おいユキ!」  慌てたように高柳が山中の肩を掴んで引き留めようとする。だがその腕を振り払って、山中は高柳を睨みつけた。心なしか、目が据わっているような……。  ……そうだ。酔っぱらわせたのは、高柳だ……。 「なんで!?いつもお前、酔っぱらうとそりゃもうえっちなネコになるのに、何で今日はそんな男前なんだよ!!」 「そうそうお前のテメェ勝手なシナリオ通りにいくと思ったら大間違いなんだよ!お前はそこで、良い子にしてろ!」  汗に濡れた長めの前髪をうるさそうに手櫛で後ろに流すと、思っていたよりもずっと整った顔が現れた。やっぱり先生格好良い……。ドキドキしていると、山中の顔が自分の顔に近づいてきた。  こ、こういう時って目閉じるんだよな。俺、女とするときは目開けてたけど、でも俺がして貰うんだし……。 「ユキ、濃いチュー禁止だからな!」 「うるさいわっ!」  ギッと高柳を睨むと、そのまま山中の指が優しく設楽の頬に触れ、そっと下唇を唇で挟まれた。 「緊張しなくて良い。お前は自分の気持ち良いことだけを考えていろ」   もう1度唇を触れ合わせ、山中の舌が自分の唇をとんとんと叩く。  濃いチューして、後で高柳にお仕置きとかされないのかな……。  一瞬考えたけれど、でも、山中とキスできると思えば、そんな考えはすぐに消えていった。  唇をそっと開けて山中の舌を迎え入れると、するりと舌を捉えられた。  うわ、なんだ先生、めっちゃキス巧い……!  強引ではないのに、それでも積極的に山中の舌は設楽を蹂躙した。舌を絡め、歯列をなぞり、上顎を舐められ、舌先を噛まれ……そのたびに、設楽は嬉しくてビクビクと震えた。  先生が、俺を……。  そのキスは、愛撫だった。  設楽自身を舐められているのと変わらないほどの、強烈な愛撫だった。 「可愛いな、設楽。お前、キスだけでもうこんなに……」  優しく笑いながら、山中が設楽の下着の中に手を入れてきた。 「うっ」  びくっと息を潜めた隙に、山中の歯に顎を引っ掻かれた。びっくりして目を開けると、くすっと笑って、その顎を舐められる。じんわりとした疼きが顎から胸まで広がっていった。  うわ、俺先生に翻弄されっぱなしだろ……。  嬉しくて、でも設楽も山中に触れてみたくて、Tシャツの裾から手を入れて山中の肌に触れてみた。  すっげ、すべすべっつうかつるつるっつうか、先生脱いでも凄いんですねっ!  くすっと笑って、山中がゆっくりとTシャツを脱いだ。すっきりと絞れているのに筋張った感じはしない。ほどよく付いた筋肉は綺麗にすじ筋が切れている。うは~、超触り心地良いんですけど……。

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