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痛みと歓びとー7(R)

 スルスルして、適度に堅くって。先生の胸とか触っちゃうと、自分はフワフワのおっぱいより、ピキピキの胸の方が好きだったのかも、と、素直に実感した。  俺、先生だから男でも好きになったと思ってたんだけど、この堅い胸がイイなんて、ひょっとして、俺って本当は最初からゲイだったのか、と、ちょっとばかりショックだった。いや、ゲイでも良い。だって、先生のことが好きで幸せだし、ゲイだったから先生は俺の相手をしてくれるんだもん。  いやそれよりも、先生のガタイの良さに比べて、それこそ俺の胸なんか筋肉なくてペソペソだよ!!これでも女子には結構スタイル良いとか言われて人気あるんだけど……でも先生の体見ちゃったらもう全然ダメだよ!先生がっかりしないかな……。ちょ、体鍛えなきゃ!  とにかく、様々なことがショックで、ぐるぐると色々考え込んでしまう。  そんな設楽の百面相をどう思ったのか。山中が目元を甘く緩めて設楽の鼻先を甘噛みし、意識を自分に向けさせる。 「先生…」 「今、他のこと考えてただろう?俺を見てろよ」  うわ~、先生格好いい……!どうしよう……!  真っ赤になって俯くと、山中の手が設楽のTシャツを上に引っ張り、「ほら、バンザイして」と、脱がせてしまった。思わず両手で胸を隠す。あぁ、ダメだ、胸隠したって、あばら浮いてるの見えちゃうし!  恥ずかしいし、先生に気に入られなかったらどうしようと思うと、どうしても体を晒す勇気が持てなかった。 「くくっ、設楽、お前本当に可愛いな。なんで胸隠してんの?」 「だって俺先生みたく格好良くないから……」 「ばかだな」  笑いながら胸に置いた手を外され、そのまま山中の手が、そっと脇腹に伸びてきた。緩く撫で上げ、撫で下げながら、体中を舌で辿っていく。まだまだ薄い胸も、浮き出たあばらも、ぺったりと落ちくぼんだみぞおちも、どこもかしこも山中に曝かれ、恥ずかしさと、それを上回る気持ち良さに身を捩る。山中の滑らかな舌が這うたびに、下半身がじんじんと疼いた。 「うぁ…、ん、せんせ……っ」  やべ、なんで変な声出るんだよ……。俺のこんな声、きしょいだろ。先生が萎えちゃう……!  つうか、なんで首とか腹とか舐められてんのに、俺の息子が疼くんだよ……。俺、今迄そんなとこ触られたことないから分かんねぇよ……。うあ、恥ずかしい……!  快楽をやり過ごすために、ぎゅっと拳を握りしめて、きつく目を閉じる。  あぁ、でも……でもなんかもう……なんか、これだけのことなのにこんな感じて……先生俺の事どう思うだろう……でも……。  設楽の逡巡を知っているのか知らないのか、山中は設楽が声を押し殺すのを許すつもりはないようだった。声を出せと言われることはなかったが、それでも設楽が堪えきれなくなるまで攻撃の手を緩めない。  優しく、時間をかけてゆっくりと……じれったいほどに……。  やば、どうしよう……も、なんかもうこれ……やばい、絶対やばい……もう俺……。 「先生、もっ……」 「ん?なに?設楽、どうして欲しい……?」 「そ…そんなこと……」  うわぁ、先生意外とS!? 「ちゃんと口に出して、言ってみな?」  Sだ!あんなに生徒に手を出すのは厳禁とか言ってたくせに、生徒におねだりさせる気満々だ!!!  でも、頬に唇で触れてくる山中の顔は思いっきり優しそうで、でも口元はちょっぴり意地悪な笑顔で……。  こ、こんな顔されたら俺我慢できないよ……! 「も、触って下さい!俺、もう先生にして欲しいです!!」  恥ずかしさで胸をいっぱいにしながらそれでも必死で叫ぶと、山中はまるで課題にA評価を与えたときのように、満足そうに笑った。 「良くできました」  ご褒美は、額にリップ音を立ててのスマックキスだった。その唇が瞼に、次に頬に落ちてくる。ほっぺたからそのまま首筋に唇が移動する頃には、もう触って欲しくて下半身がはち切れんばかりになっていた。

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