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痛みと歓びとー8(R)

「先生…」  山中の腕を掴んで、設楽は自分からその手を下腹部に押しつけた。 「本当に、大丈夫か……?」 「俺、初めて先生に会って、ホメロス抱き上げてる先生見たときから、先生に抱かれたかったんだ」 「うん…」  山中は小さく設楽の耳元で「ごめんな」と呟いて、設楽の腰の下に枕をあてがい、ジェルの蓋を外した。  ごめんな?  どうして?  どうしてごめんなんて……。  軽い戸惑いの中で、今迄誰にも触られたことのない場所に山中の指先を感じた。  本当だ、冷たくて、少しびくっとする……。  山中の指がそっと蕾を柔らかく揉みほぐすと、それだけで何か言い難い感覚にゾワゾワした。そっと左右に押し広げられ、何度も軽くつつかれる。  あぁ、先生の指だ……。  とぷりと継ぎ足したジェルが塗り込められ、やっぱり冷たくて体を震わせると、そのまま人差し指が1本押し入ってきた。 「うわ……」 「痛い?」 「いや、平気……」  ゆっくりと……ゆっくりと中を確かめるように指が入ってくる。痛みはなかった。でも、強烈な違和感と、圧迫感。これ、本当に気持ち良くなれるのかな……そう思った時、いきなり体がびくりと跳ねた。 「んぁ!?」  体の奥が火花を散らすような、初めての感覚。何かに駆り立てられるような快感と、それでもなお募る圧迫感。  設楽は混乱して取り乱しかけた。 「せ、先生!何、これ何!?」 「あぁ、ここだ」 「やめ……っ!」  慌てて叫ぶと、山中が嬉しそうに笑った。 「ん?だから、前立せ……あっ!?」  山中の指がくっと曲がって、目の前が眩みそうになったとき、山中の指に異変が起きた。 「うぅ…っ!」  ぎゅうっと、指先が前立腺を押しつぶしてくる。痛みよりも、強烈な射精感に設楽が叫びそうになったのと、山中が叫んだのは同時だった。 「あぁ!」 「え?先生?」  目の前の山中が、体を折りたたむようにして下を向き、何かに耐えるように指の動きを止めた。 「せんせい……?」 「ちょっ、や、たか、やなぎ……!抜け……!」 「え?」  先生の肩の向こうに、高柳が見える。先生の後ろにしゃがみ込み……右手を、先生の背後に…… 「俺だけ仲間はずれはひどいんじゃねぇの?お前がしてるのとおんなじに、俺がお前にしてやるよ」 「ダメだって…!設楽初めてなんだぞ……!こんな……お前の悪趣味に……!」 「俺が初めての時は有無を言わさず襲われて、お前なんか愛撫もそこそこ突っ込んで、三擦り半で達っちまったくせに?」 「その話は今関係ないだろ!!」 「あるよ。設楽ばっかり大事にすんな。お前は、俺のだろう?」  くっと喉の奥で笑うと、高柳の指が山中の中をゆっくりと辿る。まだ高柳に何か言おうとしたようだが、それを設楽が遮った。

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