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週末

 結局、土曜日は九時過ぎに高柳が迎えに来て、一日高柳のマンションで3人で過ごした。DVDを観たり、設楽の宿題を2人がかりで手伝ったり、昼飯を作ったり(山中は絶望的なまでに料理がへたくそで、高柳もまだマシか、という程度で、仕方なく一番若い設楽がほとんど1人で作ったのだ)、それから、3人でクタクタになるほど寝室で汗を流したりした。 「見張ってねぇとユキが初心者ぶっ壊すからな」  ベッドの下に敷かれたラグの上に座り込んで雑誌をめくりながら、高柳がのんびり嘯く。  高柳は結局3Pは諦めてくれたようだったが、山中と設楽が一回戦終える度に山中を抱いたので、さすがの山中もヘロヘロになって、ベッドの上で伸びてしまった。 「はぁっ…、はぁ……設楽……、設楽、体平気……?」 「いや…、先生よりは平気だと思うけど……」  設楽に突っ込み、高柳に突っ込まれ、山中の体力もどうなっているのか……。  時計を見るともう6時を回っていた。いつの間にこんなに時間が経っていたのか……。 「送ってくか?」 「いや、先生に飯作ってから帰る。カレーと生姜焼きだったらどっちが良い?」 「生姜焼き!」  高柳と山中が、異口同音に声を上げる。2人とも、設楽に作ってもらう気満々のようだ。 「高柳、そしたらメモするから、材料買ってきてよ」 「分かった。俺のいない間にユキにいたずらすんなよ」 「しねぇよ!先生ボロボロじゃんか!」 「ははは、そりゃそうだ」  高柳の姿が消えると、設楽はゆっくりと起きあがり、ベッドの上で伸びている山中の唇に唇を重ねた。 「ん…」  すぐに、山中がそのキスを深い物に変えてくれる。くちゅくちゅと湿った音が心地良い。山中の舌はちゅるりと逃げたかと思えば設楽の舌を大胆に捉る。緩くきつく吸い上げられると、下半身が疼いた。 「あー先生、キスめっちゃ上手……」 「はは、亀の甲より年の功ってな。それより設楽、料理できるんだな」 「あぁ、家の手伝いとかはしないんだけど、うち割としょっちゅう山行ったりキャンプ行ったりするからさ。キャンプ場で作るようなもんしか作れないけど、まぁ料理は嫌いじゃないよ」  そう言って笑うと、山中は驚いたように視線を寄越した。 「え?生姜焼きなんてキャンプで作るか?普通カレーか豚汁じゃないの?」 「作るでしょ?うちキャンプ場で燻製も作るしパンも焼くよ?ツーバーナーあるからパスタとかも普通に作るし。あ、今度なんちゃってアップルパイ作るから、食べてみてよ。俺の自信作だから」  ケロリと言ってのけると、山中は目をウルウルさせた。 「嫁さんになってくれ……!」 「喜んで!」  胃袋から攻めろと言うのは男同士でも有効らしい。良かった!キャンプ場での暇つぶしに、料理に嵌って良かった!父さん母さんありがとう!!  山中が喜んでくれることが嬉しくて、設楽は小さくガッツポーズを決めた。  それから高柳が戻ってくるまでの間、2人とも気怠い体を労るようにしながら、互いの体をゆっくりとなぞりあった  唇で、指先で、それは官能を呼び覚ます物ではなく、愛おしむための行為だ。  高柳が帰ってきて、設楽はやっと山中から離れてシャワーを浴びた。  正直に言えば、山中とのセックスは相手が山中だということで満足を得ているのであって、まだ体の方はそれほど馴染んではいなかった。だから2人きりでお互いの体をゆるゆると辿るような愛撫の方が、設楽には心地良いのだ。  緩く勃ち上がった熱をシャワー室で開放し、設楽は小さく溜息をついた。  高柳が脇にいるから、セックスに身が入らないのだろうか。美術室で抱かれていたときは、痺れるほどの快楽だったのに……。  高柳の気配を感じるだけで、自分は玩具なのだと強く感じる。自分を抱いた後に高柳に抱かれてあられもなく乱れる山中を、憎みそうになって混乱する。  自分が嫉妬するのはお門違いだ。俺は2人の玩具なのだから。  そのことを、決して忘れてはいけないのだ……。

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