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第4話

最近αの中のαと呼ばれるようになったばかりの有能な坊やが、また何か面白い事を始めたようね。 私達の仲間入りするような人間にとっては無意味な事だというのに。 いえ、私も昔は同じ事に熱くなったわ。 もう、とうの昔に諦めてしまったけれど。 私はαと言えど、性は女性だから自分が出産すれば良いのだけど、私は組み敷かれるより組み敷きたいの。 それだけは譲れず、気付けば40歳を過ぎてしまっていたわ。 自分が出産する事をも諦める時期に差し掛かってしまっているの。 それでも、αとして組み敷かれるのだけは絶対に嫌よ。 もう、私が子孫を遺す事に諦めはついているけれど、坊やが頑張って相手を見つけて来たならば、そこに便乗させて貰ってもいいかしら? 1人でも見つかったら、欲が出るのは当然だと思うの。 だって、私はαだもの。 掠め奪ろうなんて考えてないわ。 童貞だけ捨てさせてくれればいい。 けれど、一度でも経験したら、また欲が出てしまうのでしょうけれど。 諦めたとは思っているけれど、やっぱり誰かが頑張っていると気になるのはお約束よね。 完全に興味が無いと言える程枯れてもいないのよ。 本当に素敵なΩ何人か見つからないかしら? けれど、私達も過去に探してみたものの、私達を受け容れられるΩなんて出会えなかった。 過去のデータを拡げてみても、Ωの体格はより華奢になって来ている統計が突き付けられるばかり。 妊娠しやすい上質なΩは、よりその枠に当てはまりやすいと私達は知っているの。 そう、知っているのよ。 反対にαの中でも有能だと呼ばれているαのイチモツはより大きくなり、相手を見つけるのに苦労するようになって来ているの。 自分に合ったΩを見つけられなくなったαが苦肉の策としてα同士で婚姻を行うようになり、αの能力は飛躍的に上がってイチモツも更に大きくなったけれど、その数は大幅に減ってしまったの。 Ωにしても身体が小さくなり過ぎて、妊娠しても出産に耐えれない事が増えて来てしまって、子供を1人産んだら身体はボロボロになってしまうような時代になってしまったわ。 医者の言う上質なΩが本当に上質なΩだとは到底思えないのよね。 Ωコミュニティに紹介を頼んでも、医者の言う上質なΩしか紹介されないから本当に無駄よ。 その点、Ωコミュニティ以外にも触手を伸ばして番のΩを探している坊やの努力は本当に報われて欲しいわ。 諦めたと言いつつも、全然諦められていない43歳α女性、童貞処女。 最強の女豹は手ぐすねを引いて待っている。

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