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第6話

知人から電話がかかってきた。 丈夫なΩを探していると。 俺に聞くな、Ωなんて大っ嫌いだ。 滅んでしまえとさえ思っているのに。 だが、丈夫なΩには心当たりがある。 俺の弟だ。 本当に嫌いだが、血の繋がりは100%ある。 俺がΩを嫌う理由は、俺が『α狂い』だからだ。 アイツらΩは何の苦労もなく、俺好みのαを奪っていく。 あまつさえ子供まで孕む。 ああ、嫌だ嫌だ。 歳の離れた弟は体格が良過ぎて、低ランクΩの烙印を押されている、ザマぁ。 だが、Ωである事に変わりはない。 ヤツが子供の頃に可愛がろうにも、フェロモンが臭すぎて近付けやしなかった。 弟のフェロモンだけが臭いのではない。 俺にとってΩフェロモンは全て吐き気を催す酷い臭いなのだ。 逆にαフェロモンは俺の股間の前と後ろをダイレクトに刺激する至高の香りだ。 相手が強いαであればあるほど、後ろが濡れて疼いて欲しくて堪らなくなる。 俺が男性型αの相手を捕まえるのは、本当に難しい。 『α狂い』同士で抱き合えれば、苦労は無いのだが、最近は『α狂い』を発症している者も増えたらしいとは言え、それでも数は世の中のΩよりもずーっと少ない。 『α狂い』同士でならラット交尾も可能だが、正常なαとの交尾は普通の勃起と通常射精のみだ。 俺はα相手にだけラットして突いても突かれても、ペニ栓ボッコリ膨らませて射精する。 で、Ωの弟を紹介するのは癪だが、こちらが出す条件を飲んでくれるのなら、収めてやらん事もない。 条件はふたつ。 お前、俺と寝ろ。 弟を紹介するα、お前も俺と寝ろ。 合宿でも添い寝でもない、交尾だ。 強いαと交尾する為なら、何でも利用してやる。 本当はαと愛し合いたい。 だが、正常なαにそれは無理だ。 Ωや女性を愛するのは正常な異性愛者だからで、男性αが男性αを愛するのは遺伝子起因の病状だからな。 相手が俺と同じ『α狂い』でなければ、互いの愛を確かめ合えるラット交尾は望みようが無い。 頭では分かってはいるが、モテないといってもαに望まれるΩである弟が、嫉ましくて仕方がない。 とことん邪魔する方針だ。 α達が俺の身体にハマってしまえばいい。 弟を望む気持ちを無くしてしまえばいい。 歪んだ心根だと分かってはいる、けれど俺だって心の底からαを望んでいる。 たった1人、俺だけのαを望んでもバチは当たらないだろ? 今まで俺の寝たα達は全部、弟を紹介してくれと頼んで来た者達だ。 ラットしてないペニスでも、αが尻を埋めてくれるのは幸せだ。 俺よりも弱いαの時は組み敷き、ペニ栓ゴリゴリの俺のペニスで相手を啼かせて来た。 暫くは確かに俺の身体にハマって関係が続くが、αにとってラットしない交尾はマスターベーションと同義で、交尾だと思っていたのは俺だけだと気付かされた。 そして口々に言うのだ『そろそろΩを紹介してくれ』と。 それでもいいと歪んだ健気さを見せる38歳α男性、ヤリチンヤリマンの『α狂い』 弟の見合い相手のαの名前は誰でも知っている超有能な有名人。 ペニスの大きさに想いを馳せては頰を赤く染める。

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