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第2話
馨はとにかく育ちが良い。キャリア官僚の親父さんと、大手企業の令嬢だったお袋さんの英才教育により、聡明さと気品を備えている。仕草や話し方にそれが色濃く表れ、二丁目のはっちゃけたオネエさん方の中では、いささか異彩を放っていた。
けれどもその一方で、馨はとても貪欲だった。
特にセックスの時、自分でも信じられないほどに馨は淫乱になる。まるで人が変わったかのように、ふしだらな雌ネコになる。
それが、宇宙一かわいくて、エロい。
媚薬に肉体も脳も侵食されたのだろう。馨はぼうっとしながらも切なげに顔を歪めて、俺の一物を愛おしげに頬擦りしている。露のように浮いては垂れるカウパーが、ファンデーションで覆われた肌をべたべたに濡らしていた。
視覚的にかなりクる。ヤバい。
「洗ってないから汚いぞ」
「汚くない……美味しそう……」
「……っ」
じゅるっと濁った音をさせ、馨の口が亀頭を吸い込んだ。そのままずるずると茎も飲み込まれていく。口腔はいつもより熱くぬかるんでいて、溶けそうなほどに気持ちがいい。
深くまで俺のものを咥えた馨は、上目遣いで俺を見る。その嬉しそうな表情に、ぞくりと腰のあたりが疼いた。
馨のフェラチオは巧みだ。俺の感じる場所を熟知していて、舌や上顎、喉を使って俺を徹底的に追い込んでくる。
それに、ザーメンを飲むのが好きらしい。確かに、濃厚なのを喉奥に叩きつけられて、感じている節がある。飲んでくれてもいいけど、俺は一番濃い精液を馨の腹のなかにぶち撒ける方が好きだから、果てる前にやめさせることが多かった。
今夜も、そうしたい。というか、馨のいつも以上に昂ぶった姿を見せられて、俺もまた余裕がなかった。
「……馨」
「ん……んぅっ……?」
馨の黒髪を撫でながら、低い声で名前を呼べば、馨はとろんとした視線を俺に向けてきた。
「お前のケツに、早くちんぽぶち込みたい」
「ふ、……ん……っ」
馨の身体がひくっと震える。鼻から抜けた声には、ふわりと色香が漂い、平素は気品を感じさせる綺麗な目がじっとりと潤んだ。
馨も同じことを思いながら、必死にしゃぶっていたのかも知れない。俺のをぶち込まれて、滅茶苦茶にされたがっているのだろう。
俺の露骨な言葉に敏感に反応する肉体が、たまらなく愛おしい。
俺は口の端を左右に広げ、ベッドサイドに置かれた小分けのローションに手を伸ばす。
「ケツをこっちに向けて。いやらしい縦割れアナル、見せてみろ」
「んんっ……ぷは……、あ……ぁ……」
口淫を中断し、馨は従順にのっそりと身体の向きを変えた。目の前で芯を持った馨のペニスが、ゆさゆさと重々しく揺れている。鈴口からは絶えずカウパーが溢れ、棹は汁だくだった。重力に従って陰囊がだらりと垂れている。中には精子がパンパンに溜め込まれているのだろう。
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