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第3話

淡いカルキのような臭いを嗅ぎながら、俺はローションの袋を破り、中身を手のひらに開けた。無色透明な粘液で手がベトベトになる。それを燻んだ窪みに塗りつければ、襞がきゅっと締まった。 「あぁ……っ、ぁ……はぁ……」 「指、挿れていいよな?」 「うん……挿れて、ぐちゅぐちゅして……あッ! ああっ……!」 まずは人差し指だけをアナルに捩じ込んだ。にちゃにちゃと粘った物を咀嚼するような音をさせ、ただの排泄器官である直腸に根元まで埋める。それからいつものように、腸壁にローションを塗りたくりながら、狭いそこを広げていく。 ゆっくりと指を出し入れし、ぐるりと円を描く。 「んん、ッ……あっ、あ……さく、ちゃ……」 「カリ舐めて」 「……あんっ……は、ッ……ん、ン……っ」 シックスナインの体勢なので、馨の眼前に俺のいきり勃ったものがあった。馨の舌が雁首を這う。ざらついた表面で包み込むように撫でられ、舌先でちろちろと弄られる。欲情しきって苦しくて、早く解放されたくてしょうがないのだろう。舌の動きは性急だったが、俺を感じさせるには十分だった。 息を乱しながら、2本目の指を孔に埋める。その指でぱっくりと左右に開く。襞をなぞり、腸壁を解す。馨は啜り泣くような声を漏らしながら、俺のものを愛撫し続けていたが、やがて、もう耐えられないとばかりに俺の名前を呼んだ。 「んっんっ……あ、あぁ……朔ちゃん……さくちゃ……!」 「……ん?」 馨はふらふらと上体を起こすと、こちらを向き、今にも泣き出しそうな表情で俺を見下ろした。 「もうダメ……はやく、はやくしよ……」 妖艶だけど子供っぽい、ちぐはぐな顔と声に俺はごくりと唾を飲んだ。それから馨は艶めかしく腰をうねらせ、なかに挿入された俺の指を抜き、ごろんとシーツに横になった。 そして大きく脚を開いて、いやらしく濡れたそこを晒してきた。 「おちんちん……おちんちん、挿れてほしい……っ」 俺は身体を反転させ、可愛いおねだりをし始めた馨を組み敷く。……余裕がないながらも嗜虐心が芽吹いてしまい、頬の肉がにやりと引き上がる。 「どこに? どこにちんぽ挿れてほしい?」 「俺の、お尻……」 「そんなんじゃダメだ。もっとエロい言葉、知ってんだろ」 馨の視線が焦ったげに彷徨った。顔じゅうが真っ赤なのは媚薬のせいで熱に浮かされているからか、それとも僅かながら羞恥心が残っているからか。いずれにしても可愛くてしょうがない。 「……俺のおまん、こ……に……」 「どんなおまんこ?」 「え、えっちなおまんこ……」 口元が愉悦で歪んだ。薄い尻肉を掴んで左右に広げれば、馨は堪らないと言わんばかりにかぶりを振る。サラサラと艶めいた黒髪が枕に散らばる様さえ、煽情的だ。

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