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第6話
「こら。ザーメンだだ漏れじゃねーか」
「あ……っ」
「これだと、妊娠しないぞ」
普段こんなことを言ったら、馨のことだから昏い顔をするに違いない。「子供が欲しいなら、俺と別れて」とか何とか返ってくるだろう。「俺はお前との子供が欲しいんだけど」って言えば、今度は悲しい表情を浮かべて口をきいてくれなくなる。そんな展開が見えるから絶対に口にしないが、理性が完全にぶっ飛んで、善がり狂っている今なら、大丈夫だろう。
そんな夢物語を、興奮材料に変換できるはずだ。
「あっ……、さくちゃん……」
「ん?」
馨はしどけなく開いた脚をそのままに、肩で大きく息をしながら、どろどろに蕩けた眼差しで俺を見上げている。その瞳は同時に、眩ゆいほどの期待で満ちていた。
「おれ、さくちゃんの赤ちゃん、産めるの……?」
甘い涙声で訊ねられ、背中にぞくぞくとしたものが駆けていった。何度も射精したのに、ペニスはまた大きく反り勃つ。荒い鼻息を繰り返しながら顎を引けば、馨はぶるりと震え、それからぼろぼろと涙を流し始めた。
「……あ、ぁ……ほしい……さくちゃんの赤ちゃん、ほしい……」
「じゃあ馨、どうされたい?」
亀頭をぐずぐずに熟れたアナルに宛てがう。先端だけを穴に挿れ、動きを止めた。馨は泣きじゃくりながら、熱に犯された瞳で俺を見つめ、舌ったらずに強請ってくる。
「もっと、さくちゃんのせーしがほしい……、赤ちゃんの素、いっぱいそそいでくれなきゃやだ……!」
「じゃあ、俺のちんぽ飲み込めよ。ほら、腰動かせ」
「ん……! あっ、ぁ……あぁんっ……デカちんぽ、また入ったぁ……」
馨はますます泣きながら、俺の棹を美味しそうに咥え込むと、まるで貪るようにしゃぶりだした。ザーメンで濡れた淫らな雌孔は、女性器よりも狭く、感触も違うが、本当に俺の子を孕んでくれるんじゃないかと思うくらいに、子種を搾取しようと蠢いてくる。
目が眩みそうなほどにはしたなく、胸がきつく締めつけられるほどに可愛い。普段の上品さは鳴りを潜め、欲望に従順な獣となった奥さんに、俺はかぶりつくようにキスをした。肉汁を啜るような音を響かせながら舌を絡ませ、腰を擦りつけ合う。
俺も相当、頭がバカになっていた。目の前がチカチカ、チカチカと光っている。夢中で前立腺を責め、結腸を抉り、馨を何度となく絶頂に追いつめながら、はらの中を再び精液でくまなく汚していく。
「あっ……あー……ッ! さくちゃんのおちんぽミルク、おいしい……きもちいい……っ」
「……孕め、馨……俺の子どもを産めよ……」
「うん、うんっ……あぁっ、あ……、おれのいんらんおまんこ、にんしんしちゃう……ッ! いくっ、イクぅ……!」
唇が触れるかどうかの至近距離で明け透けな睦言を交わしながら、ふたりして果てる。それでもセックスは止まらない。止められなかった。馨が途中で気を失っても俺ひとりでぐちゃぐちゃに腰を揺すり続け、馨の望みどおり直腸を精液タンクにしたところで、泥のような眠りについた。
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