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第4話*

「あっ、あっ……フレインさん、前は……」 「いいよ、出したければ出して」 「っ……あ、でも……うっ」 「大丈夫、これで終わりじゃないから。まだまだつき合ってもらうからね」  フレインは本当に、とことん愉しむつもりらしい。  一体何回イかされることになるのだろう。恐ろしい反面、少し期待もしてしまう。彼がどれほどの快楽を与えてくれるか、楽しみでもあった。 「あ、あっ……ああ……っ!」  強弱をつけた絶妙な手技に翻弄され、伊織は最初の精を吐き出した。普段より濃厚で量も多いような気がした。 「いっぱい出たね。若い子は勢いがあっていいな」  などと笑い、フレインが細い腰に手を添えてくる。 「でも私はまだだから、もっと楽しませてね」 「ひゃあっ!」  下から思いっきり突き上げられ、びくんと全身が大きく跳ねた。達したばかりで敏感になっている身体にはやや刺激が強く、伊織は壁に両手をついて縋り付いた。 「あっ、はっ……ああ、ん」 「うん、とてもいい……。伊織くん、さっきより締め付けてるよ」 「そりゃあ、一度イけば誰でも……ああっ!」 「でも後ろで感じられない人もいるからね……。やってる人が下手なのか、その人の素質がないのかはわからないけど……少なくともきみはとっても素質があるよ」 「んんッ!」 「……これだと、いろんな人が放っておかないだろうね」 「え……」  ハッとして肩越しに振り返る。  決して揶揄する口調ではなく、むしろどこか自嘲的な空気が含まれていた。 (フレインさんも、僕と似たような人生だったのかな……)  わからんでもない気がする。  この人はおそらく自分より十歳以上年上だが、彼の美貌から推測するに、年頃の時は絶世の美少年だったに違いない。今は抱く側に回っているものの、昔は逆のポジションだったのではないか……。 「あっ……」  フレインの指が胸元を這い、伊織の乳首を挟み込んだ。指の腹で軽くこねられ、時折キュッと捻り上げられ、硬くなった突起を執拗に弄ばれる。同時に腰もゆるゆると動かされ、甘い痺れが全身を満たしていった。

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