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第6話*

「あ、あんた……ホントに、テクニシャ……んんっ!」 「ふふ、ありがとう。きみに褒められると嬉しいね」 「ふ……う、う……はあぁ……っ」  ゆっくりと腰を回され、びくびく全身が痙攣する。  メスイキさせられた状態では何をされても快感でしかなく、こんなゆったりとした抽挿ですら伊織を酩酊させるには十分だった。硬い竿で柔らかな肉襞を優しく擦られるだけで、頭が吹っ飛びそうなほどの快感に襲われる。 (でも、この力加減……最高かも)  これ以上強くされたら失神してしまう。かといって弱すぎても物足りない。  フレインは、その絶妙な力加減がとんでもなく上手いのだろう。もし伊織に片想いの相手がいなかったら、あっけなく絆されていたかもしれない。 「ああ、あ……ん、だめ……また……あっ!」 「うん……いいね。さっきからイきっぱなしだ。伊織くん、とってもいい顔をしてるよ」 「だっ……て、フレインさんが……はぁんっ!」 「ん? 私が何?」 「っ……」  何を言おうとしたのだろう。この男が一体なんだというのだろう。  ただの行きずりで、別れてしまえば二度と会わない相手なのに。どこから来たのか、正体は何なのか、それすらもハッキリしないのに……。  答えられなかったので、代わりに伊織は乱れた喘ぎ声を漏らした。 「ひぅっ……! ん、く……ふあ……っ」 「ああ……そろそろ私も限界かな。さて、どうしよう? 中はOKかい?」 「い、いいよ……あんたなら、許してあげる……!」  許可を出す気になったのも不思議だった。  普段は伊織の回答など無視して平気で中出ししていく人がほとんどだが、この人はちゃんと伊織の意思を確認してくれた。もし伊織が「嫌だ」と言っていたら、当たり前のように外にしてくれたんじゃないかと思う。 (嫌いじゃないな、こういう人……)  そう思った自分を内心で笑いつつ、伊織は声にならない悲鳴を上げた。  体内でフレインの灼熱が弾け飛んだが、嫌悪感はほとんどなかった。一夜限りの相手にまんざらでもない感情を覚えたのは初めてだった。

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