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4DAY

午後のお茶の仕度をしていると、来客を知らせるベルが鳴った。 出る前に、頭に布を巻いて髪を隠す。 アウルに恥をかかせる訳にはいかないから。 「お待たせいたしました、どちら様でしょう?」 「おや、こんにちは。こんな可愛らしい子がリードの所にいるなんて。拐われてきたのかい?」 「えっ?あ、いえ、あの、僕はこちらで働かせていただいている者で・・・」 リード・・・って、誰の事? 拐われたって? 「その声はグランかな?」 「やあリード。目が見えなくなってると聞いて様子を見に来たのに、こんな可愛い子を連れ込んでるなんて驚いたよ。どこで拐ってきたんだ?」 「拐ったんじゃなくて、目が治るまでの私の世話をお願いしているんだよ。それと、シアンは男の子だよ」 お客様・・・グラン様はアウルのお友達みたい。 親しげに話してる。 それと、アウルがリードさんだったんだ。 でも、どおしてリードなんだろう? 「シアンちゃんって言うのかぁ。まあ、こんなに可愛ければ男も女も関係ないな。とにかく、リードが元気そうで安心したよ。近いうちにまた仕事を頼みにくるから」 「お茶を飲んでいかないのかい?シアンが作ったお菓子もあるのに」 「あぁー・・・魅力的だが、仕事中だから戻らないと。また今度、改めてお邪魔するよ」 そう言って、グラン様は帰っていった。 深くお辞儀をしてお見送りする。 あの服装、彼はたぶん王国騎士団だと思うんだけど・・・アウルにお仕事を頼むって・・・? 「皆には、リードと名乗っているんだ。仕事上の呼び名かな。アウレウスが本名だよ。知っているのは私と、シアンだけ。ナイショだからね?」 「えっ・・・そ、そおなんですか・・・」 アウルの本当の名前。 知ってるのはアウルと僕だけ・・・。 いいのかな、僕なんかが知ってしまって・・・。 「あの、グラン様は、騎士団の方なんですか?」 「様なんて付けなくていいよ。グランは王国騎士団長だけど、私の幼馴染みで気さくなヤツだから。シアンも仲良くしてあげて」 「は、はいっ」 王国騎士団長・・・っ!? この国で最強の剣士って言われてる、あの騎士団長・・・っ!? すごい人と会ってしまった・・・きっと、僕なんかが会話していい相手じゃないのに。 それにしても、アウルって本当に何者なの・・・。 ハーブティーをいれながら、焼菓子の甘い香りにニコニコしっぱなしのアウルを見詰めるけど、答えなんて出る訳がなかった。

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