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服従の証
甲斐田は俺の前に跪いたまま、動かない。
じっと俺の顔を覗いている。なにがしたいのまじで。ぎろりと睨んでやっても甲斐田の表情は変わらない。ポーカーフェイス気取りやがって。
「何見てんだよ…あんまりジロジロみるな」
声を尖らせてそう言い放つと、突然靴を強く掴まれた。片足が浮かび上がり玄関にしりもちをついてしまう。
目を丸くする俺の足をぐいっと自分の方に引き寄せ始める。まっまてよ!なにするきなんだ!
「なっなんだ!?」
驚く俺を無表情で甲斐田はみた。必死に抵抗するが、大人の力には適わない。均衡を保っているように見えるが、時間の問題だろう。
「何する気だ甲斐田!?」
「舐めさせてください」
真顔でそんなこと言われても、一瞬言っている意味がわからず白目を剥きかける。
「はあああ!?ちょっまて急すぎてなんかよくわからんっ!おいその手を退けろ!ちょっ!待ってええええ!」
喉を枯らす勢いで叫ぶ。甲斐田は狼狽えずにグイグイ引き寄せてくる。なんつー力だ。
靴だけ脱ぎ捨てたかったが、まだ解けていない靴紐が邪魔をする。ほんと邪魔くさいな!新しいのに買い換えるぞちくしょう!
お前にはそういう趣味があるかもしれん!だが俺にはない!巻き込まないでくれ!てめえの変な性癖を満たしてやる義務ないんだ!
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