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アンダーウェアに理想論
パンツ。
それは肌を守るための下着としての機能を果たす人類が生み出したものだ。見せてはならない禁断の部位を覆い隠す大切な布でもある。
赤松が言うにはパンツには夢が込められているらしい。
禁忌という果実への扉を誘惑する神秘の布。隠されているからこそ暴きたいという欲求が煽られるのではないか。そう解釈する。ひた隠しにされている奥の楽園にも興味は尽きないが、覆い隠している下着にも実際に彼らの興奮は発生していた。
なんかパンツってエロいじゃん?響きがさ?ほら、なんかエロくね?
ちらリズム。直接的に興奮する材料よりもその材料に飾られる装飾品に吸い寄せられるのは何故だろう。人間の性質に疑問を抱こうが始まらない。
なぜならばパンツに興奮するからする。それだけなのである。それだけ。それ以上でもそれ以下でもない。一番肌に密着するのは何か。そう、それがパンツなのである!
パンツを制する者は愛をも制す。これは赤松の名言である。迷言と記したほうが正しいのかもしれないが、とにかく二匹の変態は愛する高校生男子のパンツを渇望している。
愛ゆえに喉が枯れるまでに望む。渇きを潤すにはどうすればよいか。手に入れるしかないこの手中に収めるしか癒される道は示されない。
「というわけで坊ちゃんのパンツ漁りにいかないー?分け前は半々でどう?」
「同意しましょう」
長々とおかしな理屈を作り上げた変態二人組が手を組んで、足立千晴のパンツを盗みに行く計画がたてられようとしていた。
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