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アンダーウェアに理想論
「わー坊ちゃんのベッドだー」
赤松は間延びした声をあげながらとてとてとベッドに近づく。シーツも丁寧に整えられている。几帳面さが垣間見得るところだろう。
「ごろーんっと」
ベッドの上にダイブした赤松は、コロコロと狭い布団の上で転がり始めた。初めてベッドを見てはしゃぐ子供を連想させた。
「何をしてるんですかあなたは」
大きな子供を冷ややかに見つめる甲斐田。彼の視線で室温が一度ぐらいさがったのではないだろうか。
「坊ちゃんのベッドでごろごろしてるー」
「見ればわかります」
「いやー坊ちゃんの匂いが染み込んでてむらむらしそうだなー……お手頃なところにパジャマもある……ちょっとここならいい夢見れそう………いだだだッ!痛い痛い甲斐田さん痛いってばー!ごめんって!降りる!降りるから首締めるのやめて泡ふきそう!よだれが!」
背後から首に腕を回して容赦なく締め付けてくる甲斐田に、床を叩いて降参の意を示す。
「タップアウトタップアウト!ギブアップ!
下手するとゴロリと首がもげそうな勢いでぐいぐい力を込めてくる。レフェリーも真っ青で旗を振り上げそうだ。
「うう…そんなに怒らなくたって…」
呼吸期間を圧迫されてぐったりする赤松を、表情のない瞳で見下ろす。
「千晴様のベッドの上で何するつもりだったんですか?くんかくんかして《ピー》したり《ピー》なことをするつもりだったんですかそうなんでしょう。私の目が届く範囲でそのような不届きはさせません私のあとならいいですよ」
「あんた何考えてるのー!?自主規制する余裕あるんなら言わなきゃいいじゃんー!」
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