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しばらく続けたキスに満足して、朝食でも作ろうか、と立ち上がったとき、オズワルドに不意に強く腕を引っ張られ、またベッドに倒れ込んでしまった。
「なんだよ?」
乱暴な扱いに少し怒ったフリをしながら、問いかける。目の前の男は悪びれた様子もなくニヤリと笑った。
「あんまりセルジオが可愛いから、勃っちゃった」
「……は?」
「しよう?」
しようって……セックス、だよな?こんな朝っぱらから?
「せっかくの休みに朝からセックス?」
「いいだろ? それとも、したくない?」
少し残念そうに眉を下げながら、こちらを伺う様子は絶対に確信犯だと思いつつも、ついその罠にはまってしまう。
「したくないわけじゃ、ないけど……」
模範解答、と言わんばかりに満足そうに笑ったオズワルドに引き寄せられ、彼と体をぴったりくっつける。温かい。胸板に顔を埋めると、抱き寄せるように腕を回してくれて、なんだか幸せだ。
やっぱり好きだなあ、こいつのこと。
そんなふうに思っていると、俺の髪を撫で始めた手は、しばらくすると頬を辿り、俺の顎を支えて、親指で唇を撫でる。なんとなくその指をちろりと舐めてみると、誘われたようにオズワルドの舌が入り込んでくる。
舌を擦り付けあう独特の感触に、夢中になった。だんだんと体の芯から痺れていくようで気持ちいい。
出て行く舌を思わず追いかけてしまったのを、オズワルドがふっと笑ったのを感じて、我に返った。
「き、昨日みたいなのは、無理だからな!」
恥ずかしくて、ぶっきらぼうに吐き出した言葉なのに、オズワルドは優しく頷いて、また俺の頭を撫でた。そして、覗き込むように俺の瞳と視線を合わせると、甘い声で囁いた。
「今日はゆっくりシようか。こっちにお尻向けて?」
こんなに明るい中では、全て丸見えだと思うとまた顔が熱くなったが、今更なんだ、と半ば無理矢理腹をくくって恥ずかしさを飲み込んだ俺は、大人しく四つん這いになってオズワルドに尻を差し出した。
「今日は素直だね? 可愛い」
こいつは、事あるごとに俺を可愛いと形容する。男に向かって「可愛い」はどうなの?と思うこともあるが、オズに言われるのは嫌じゃない。
尻たぶに手がかかり、ぐっ、と押し開かれた。見られてる、と思うとゾクゾクする。昨日したばかりだし、すぐに入れれるだろう。オズのを入れる前に指で気持ちよくしてくれたらいいな、なんてことをこっそりと期待していた。
「あっ、ぁ」
予測外の刺激に、声が漏れる。
ぬるりと入り口をなぞったそれは、湿っていて、暖かくて。
指じゃない、これは……オズの舌だ。
そう理解した俺は、急激に襲ってきた羞恥心に身を捩った。
「やっ、だめ! 汚いから、やめてっ」
「暴れるな。汚くない。ヒクヒクしてて、可愛いくらいだ」
俺の制止なんて気にも留めないオズに、腰に腕を回され動きを封じられてしまった。もう逃げられない。
オズは、俺の尻に顔を押しつけるようにして遠慮なくそこに舌を這わせる。ぬる、ぬるっ、と動き回るそれは、繊細でもどかしい刺激を生み出した。
恥ずかしくて、気持ちよくて、だんだん意識が白んでいく俺は、額をシーツに擦り付けて正気を保った。
「も、もういいっ、も、いいから……っ」
「まだだめ」
口をつけたまま短く答えたオズは、あろうことか尖らせた舌を突き出して、浅い所を抉り始めた。
「ひっ、ぁあ、や、ほんとにだめっ」
くちゅくちゅといやらしい音を響かせながら、柔らかい舌は、確実に意志を持って動き回る。尖らせて中をつついたり、柔らかく入り口を撫でたり……とにかくその動きの全てが、俺の性感を高めた。
「あ、んんっ、ふ、ああぁ、っ」
抵抗の言葉すら忘れ、開いた口からは嬌声だけがこぼれ落ちる。体の力も抜け、ベッドに沈んだ体は、オズに支えられた腰だけがかろうじて上がっていた。
ぐずぐずになった俺を仰向けにひっくり返したオズが、ぼやける視界の中でニヤリと笑ったのが見えた。
「ここ舐められるのも、なかなかイイでしょ?」
「っ……」
恥ずかしくて、まともに顔も見れない俺に、もう一度、ね? と確認するオズは、俺が微かに頷いたのを見て満足したように笑った。
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