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ひとまずは、自分の服を着せ、セシルに屋敷を見せて回っていた。辛うじて、ここは何の部屋で何に使うのかを説明することは出来ていたが、意識は隣を歩く彼に釘付けだった。 歩くたびに揺れる黒い髪が、真っ白な肌に映えて妙に色気がある。キラキラと輝く翠の瞳で屋敷をキョロキョロと見回す様子が愛らしい……とそんなことばかりが頭の中を巡っていた。自分はおかしくなってしまったのかと思うほど、彼のことで頭がいっぱいだ。こんなことは今までに無かった。 「ご主人様はすごいですね! こんなに大きなお屋敷に住んでるなんて! いろんな部屋があって楽しいです」 とニコニコと話すセシルを見ると不意に口から思いがけない言葉が飛び出した。 「自由にこの屋敷を使っていいからな」 勝手に出てしまった言葉に自分でも驚いた。今までは、ヒューマノイドであっても屋敷を勝手にうろつかれるのは気に障ったので、それぞれの自室に半ば閉じ込めるようにして管理していた。許可を出した時だけ、ヒューマノイドは部屋の外に出られたのだ。 しかし、あまりに楽しそうに、ニコニコと屋敷を見て歩くセシルを見ていると、自然とそんな言葉が不意をついて出た。自分でも相当やられてるな、と思ったが、「え! いいんですか?! ありがとうございます。今度探検とかしてみたいと思ってたんですよ!」とセシルに言われると、もうなんでもいいような気がした。 次に向かったのは自分の寝室だった。正直に言うと、もう、セシルに触れてみたくてたまらなかった。ただ歩いているだけで、酷く劣情を煽る色気があるのは、恋人タイプだからなのだろうか。屋敷の案内もそこそこに、あの可愛らしい胸の飾りを触ったら、どんな反応をするのだろう、などと考えるほどに、欲情していた。 ここが私の寝室だ、と扉を開けると、やはり彼はキラキラした目で部屋を見回した。 「わあー、やっぱりすごく広いですね! それよりあのベッド、すっごく大きい! 5人くらい一緒に寝れちゃいそう!!」 瞳を輝かせる彼の腕を取り、寝室へ招き入れると、ベッドへ座らせた。 何か言葉を紡ごうとしたセシルの口を、自分のもので塞ぐ。美しい少年と唇を触れ合わせる背徳感に、身体の芯にぞくりとしたものが走った。 「んっ!?」 驚いたセシルは、キスをされたまま、目をパチパチと瞬かせる。これから何が起こるのか、気づいたのだろうか。彼はまた顔を赤くしていた。そんな姿が私を余計に煽っているなんて思ってもいないのだろう。 「ご、ご主人様?!」 「人の寝室に入るっていうのは、こういうことなんだ」 セシルの頬をなでながら、再び唇を落とす。セシルは、ぎゅっと瞼を閉じ、慣れない体に力をいれて、ふるふると震えながらキスを受けていた。恋人タイプとはいえ、初めての情交は緊張するものなのだろう。 「セシル、体の力を抜いて、口を軽く開いてごらん」 「は、はい……」 彼は素直に力を抜き、口を開く。自分に従う様子が可愛らしくて、もっと触りたくなる。 薄く開いた口に舌を滑り込ませる。彼は、ぬるぬると口の中を動き回る舌を感じるとぶるりと震えた。舌同士が擦れたり、歯の裏を舐めると、くぐもった吐息を漏らす。 鼻から抜けるような微かな吐息に煽られ、衝動的にセシルを押し倒す。彼は驚いたようだが、先程の言いつけ通り力を抜いて、そのままキスに応えていた。 ちゅくちゅくと唾液が絡まる音を聞きながら、彼の服の中に手を入れた。さらりとした肌は、思わず頬を擦り付けたくなるほど、触り心地も最高だ。 直接触れた肌に、彼は体を震わせる。もっと見たい。この美しい少年が、快楽に溺れ、淫らに乱れる姿を見てみたい。

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