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25 :セシル視点
目を覚ますと、すでに窓の外は日が落ちて暗くなっていた。しばらくぼーっとした後、体を起こしてベッドに座る。自分が服を着ていることに気がつくと同時に、先ほどの情事を思い出した。
会ったばかりのご主人様に、あんなはしたない姿を見せてしまった……いくら恋人タイプのヒューマノイドだからって、あんなに何度も、イっちゃったり、して…………
思い出すだけで、恥ずかしいと頬を赤らめて足をばたつかせていると、がちゃっと音がして、寝室のドアが開いた。入って来たのは主人のヘイデンだ。今の僕の様子を見たのだろうか、彼は何を考えていたのかなどお見通しだという様に、「さっきはすごく、可愛かったぞ」と言い、ニヤリと笑った。
その言葉にさらに頬が上気するのを感じ、俯いた。近づいてきたヘイデンに顎を掬い上げられ、視線を上げると、彼は微笑んでいた。優しい笑顔にどきりとしたと同時に、唇にキスを落とされた。本当の恋人みたいな扱いに、嬉しくなる。
=====
ヘイデンに手を取られ、ダイニングルームに移動した。ソファーに二人で座ると、カタログの様なものを手渡された。
「そろそろ夕食の時間だ。今日はお前のはじめての食事だからな。セシルの興味のあるものにしようと思ってね。色々なデリバリーのメニューを集めたんだ。食べてみたいものはあるか?」
ヘイデンに渡された紙の束には、様々な種類の食べ物が色とりどりに並べられていた。洋食、和食、中華、イタリアンなどありとあらゆる種類の料理が美味しそうに並ぶ中に、一際、セシルの目を引くものがあった。
「ご主人様、僕これ食べてみたいです」
肉と野菜が丸いパンに挟まったそれは、ハンバーガーと言うらしい。
「結構大衆的なのものに興味があるんだな。まあ、初めての食事だ、親しみやすいものに挑戦するのもいいだろう。よし、じゃあハンバーガーにしよう」
「ありがとうございます」
携帯電話で手早く注文を済ませたヘイデンは、さて、と言うと、こちらをみながら自身の膝の上をポンポンと叩いた。ここに座れ、と言うことだろうと思い、向かい合って座るのは流石に恥ずかしいので、彼に背を向けてその膝に座った。
「食事が配達されるまで、30分程度かかると言っていたからね、その間少し楽しもうか」
後ろから抱き寄せられ、ヘイデンの手が服の上から、体を弄る。胸のあたりを撫でられ、布越しのもどかしい感触を感じるたびに、熱い吐息が漏れてしまう。
ぞくぞくとした感覚が腰のあたりに溜まっていく。硬くなり始めた乳首は、すぐに見つけられて集中攻撃を受ける。カリカリと爪でひっかかれると、服と擦れて複雑な快感を生み出した。
「はっ、はあっ……あっ、ふ、きもちい……」
後ろから顎を掴まれ、振り向くと、唇を塞がれた。教えられた様に、軽く口を開くと、すぐに舌が滑り込んで来る。
口内を動き回る舌に心地良さを感じ、自分からも舌を絡ませると同時に、服に手が入ってきて直接胸を触られる。乳首をくにくにと捏ねられたり、ぎゅっと引っ張られると堪らなくなる。
「んっ、ああっ、ふっ……あっ、んん」
腰がびく、びくっと動くのが恥ずかしかったが、止められなかった。溢れる声を飲み込む様に口づけを深められると、より強い快楽に襲われる。
「んんんんぅ、んっ、んんっ、ふ、んぅ、……んんんっ」
もう、イきたい……けど、勝手にイくのはだめだから、キスが終わるまでは、我慢しないと。
与えられる快感に、体を震わせて耐えていたが、腰のあたりに溜まった甘い痺れが一気にはじける様な感覚がした。
……あっ、だめだっ、も、いっちゃうっ
そう思った瞬間、体はぶるぶると震えだし、大きく仰け反った。……イっちゃった。
ヘイデンの肩に、頭を預ける体勢になったので、そのまま彼を見上げた。
「はあっ、はっ、ごめ、なさい、僕、また勝手にイっちゃった……」
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