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===== 淫靡な時間を過ごした2人が服を整え終えたころ、宅配の到着を知らせるチャイムが鳴った。 「夕飯が届いたな。持ってくるから、少し待っていて」 そう言ってヘイデンは部屋を後にする。1人になってまたいろいろなことが頭に浮かぶ。 恋人タイプのヒューマノイドって、毎日こんなにエッチなこと、するのかな……毎日あんなに気持ちいいことされたら、僕どうなっちゃうんだろう…… 起動初日から目一杯教え込まれた快楽と、これからどう付き合っていけばいいのかを考えてると、すぐにヘイデンが戻ってきた。 「さあ、夕食だ」 ダイニングテーブルに、配達されたものを運ぶヘイデンの元に駆け寄る。座りなさい、と言われて席に着くと、セシルの目の前に紙でできた箱が置かれた。 「……開けてもいいですか?」 微笑んで頷くヘイデンを確認して、箱に手を伸ばす。ほんわりと温かい感覚が紙越しに伝わる。軽く止められていたテープを剥がし、ぱかっと蓋をあける。なんだかすごく美味しそう。 「……美味しそう!」 色あざやかな野菜と、いまにも肉汁を滴らせそうなビーフが挟まったハンバーガーが箱の左側に、右半分には揚げたばかりのフライドポテトが沢山入っていた。 「さあ、食べよう」 「はい! いただきます!」 軽く手を合わせて、すぐにハンバーガーを大きく頬張った。一口かじると、その味わいが口に広がる。野菜とお肉とソース……初めて感じる味覚に感動した。 「……おいしい……。これすっごく美味しいです、ご主人様! 」 「そうか、それは良かった」 ヘイデンも自分のハンバーガーを食べ始める。黙々と食事に集中するセシルと、それを見つめながら食べ進めるヘイデン。言葉は少なかったが、満たされた時間が過ぎていった。 ===== 夕食後、満腹感を感じながら、2人でソファに座ってゆったりと過ごしていた。 「ご主人様。ご飯、ありがとうございました。本当に美味しくてびっくりしました! 僕ハンバーガー好きです」 「初めての食事が気に入ってもらえて良かった。これからはいろんな食べ物にも挑戦してみよう。セシルの好きなものがもっと見つかるかもしれない」 「ありがとうございます」 僕は、幸せだ。僕の事を考えてくれる優しいご主人様がいる。不自由なく暮らせる上に、美味しいご飯まで用意してくれる。ヒューマノイドだからって、人間らしい扱いをされない個体も多くいるって聞いた。そう考えると僕のご主人がヘイデン様で本当に嬉しい。 大好きな主人の肩に甘えるように頭を乗せると、すぐに腕が回って頭を優しく撫でてくれる。穏やかで温かい感情が溢れてくる。 ヘイデン様に触れられる度、どんどん彼を好きになっている気がする。これは、プログラムされたものなのか、自分の本当の気持ちなのか。どちらかはわからないけれど、この時間が、幸せだった。

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