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第13話

出された問題を解き終わって見せると、そう褒める父… 「やった」 素直に笑顔が浮かぶ由里… 「なら、少し体動かしに行こうか、座ってばかりもなんだしな…」 立ち上がりながら笑顔で呼ぶ。 「うん!」 頷いて父親についていく由里… 家の裏にある車庫の奥に置いてある卓球台までやってくる。 父は昔から卓球をしていて学生の頃はかなり強かったらしい… なので由里にも小さい頃から卓球を教えているのだ。 由里は父と関われるなら何だって嬉しいし、小さい頃からやっている卓球なので少しずつ上手になってきている。 二人は会話しながら軽くラリーを続けている。 「学校は楽しいか?」 不意に聞く父… 「うん…」 家にいるよりは居場所があるから… こくんと頷く。 「通知表にはおとなしいっていつも書かれているけれど、もっと自信を持って自分を出していけばいいんだからな」 父は学校での由里の様子を心配して、そう元気づけてくれる。 「…はい、あ、」 頷くが、卓球のラリーを続けていた由里がうっかり球を取りそこねてしまう… 「ごめんなさい…」 すぐ謝る由里。 「ドンマイ、大丈夫、大丈夫」 優しく声かけてくれる父… 「うん」 由里は急いで球を取りに行く… 走って取りに行く時、義母から言われたことを思いだし、由里はわざとつまずいて転ぶ。 父の前で転べと言われていたから… 前から虐待の傷を隠すために、由里はよく転ぶ子と父に認識させるためだ… 「大丈夫か?」 駆け寄って来て心配する父… 「う、うん…平気」 素早く立ち上がる由里。 擦り傷はできて痛いけど…心配されるのはちょっと嬉しい由里。 義母たちは心配などしてくれないから… 「いつ見ても擦り傷だらけだな…お前は」 由里の服を払いながら、痛々しい膝を見て言う。 「…ぼく、そそっかしいから、いつものことだから…平気」 自分に言い聞かすように言う由里。 「そうか、強いなヨシヤスは、でも、気をつけるんだぞ…」 父は優しく頭を撫でて言う。

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