16 / 129
第16話
どこがどう甘えなのか由里にはわからない、ただ父のそばにいすぎたから義母は機嫌が悪くなっているのだ…
そう思って謝る由里。
父とはなかなか会えないから、一緒にいたいけど…
義母の前ではだめだから…
自分から離れないと…
「フン、これ運びなさい!」
掴んでいた髪を離し、そう命令する義母…
「はい…」
言うとおりにするしかない由里。
そうして義母の目を気にしながら夕食を食べ終える由里…
義祖母は父のことが嫌いだから父がいる間は顔をみせない。
父と距離をとって座る由里…近づくと義母が恐いから…
しきりに義母は父と話しをしている。
父も笑顔で対応している。
義母にとって自分は邪魔な存在でしかないから…
由里はそっと立ち上がって自分の部屋へ行こうとする。
「どうした?ヨシヤス」
父が気付いて声をかけてくれる。
「部屋で本読んでくる、気になってたから…」
父からもらった本、それを理由に離れようとする。
「そうか、じゃぁ後で一緒に風呂入ろうな」
ニッと笑って誘う父…
「え、…い、いいよ、恥ずかしいから…」
もちろん一緒に入りたいけど、それは言ってはいけない…
義母に逆らえないから…
首を振って断るが…
「男同士でなにを恥ずかしがることがあるんだ、たまにしか会えないんだぞ、父さんのわがままに付き合ってくれよ、な…ヨシヤス」
父は近づいてきて、優しく頭を撫でて言う。
「う、うん…」
そう言われると頷いてしまうヨシヤス。
後ろにいる義母の目が恐くてそそくさと部屋へ逃げる…
父に優しくされると嬉しい…
でも、義母の存在が恐くて…恐くて…
父に甘えたい気持ちをぐっとおさえつける。
一時間ほどして、父が由里の部屋へ呼びに来る。
「ヨシヤス、風呂行くぞ」
明るい声…
「う、うん…」
ちゃんと着替えを用意して待っていた由里。
頷いて父についていく…
義母から隠れるようにあるきながら…
風呂場へ着く…
脱衣室で父は機嫌よく話しながら…服を脱いでいる。
由里も、おずおずと脱ぎはじめる。
ともだちにシェアしよう!