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第18話

翌朝…… 由里は学校に行く準備をしている。 今日、本当は登校日ではないけれど…嘘をついてしまっているから行かなくては… 部屋から出ると… すぐに義母と目が合った… 「お、おはようございます…」 少しびくっとしながら…挨拶する。 「おはよう、ヨシヤス、急いでご飯食べていきなさい」 今日はなぜか優しく挨拶を返してくれる義母… 「おー、おはよう、ヨシヤス」 先に食事をしている父が声をかけてくる。 義母は父が見ているため、返事をしてくれたのだ。 いつもはご飯など食べさせてもらえないのに… 「はい、おはようございます…」 食べている父の元へ行き、何ヶ月ぶりかの朝食を食べる。 今日は父と義母で出掛ける予定だから…邪魔はできない… 急いで家を出る由里… 父親は優しく送り出してくれる。 学校に行く道のり… 一人俯いて歩く由里。 自分をいじめる義母も義祖母もいないから… いつもは一番落ち着ける場所… しかし…今はとても寂しい… 父を独占したいのに出来ないもどかしさが…由里のストレスとなっている。 本当は父と一緒に居たいけれど… 義母が許してくれないから… 義母の機嫌を損ねたら、考えるだけで恐くなる… 学校に着いて…二時間ほど飼育小屋の動物を眺めて過ごす。 そしてまた、長い道のりを帰っていく由里。 父が帰って来ても、義母に遠慮しないといけない… 思うように甘えられない環境が由里を苦しめる。 そして、父が単身赴任のため、行ってしまう日の朝…… 「じゃ、ヨシヤス元気にしているんだぞ、また帰ってくるから」 「……うん」 「かあさんの言うことを聞いて、危ないことはしないように、しっかりご飯を食べて大きくなれよ」 大きな手が由里を優しく撫でて言う父… 「う、うん…お父さん…いってらっしゃい、早く、帰ってきてね…」 なんとかその言葉を伝えるが… 本当は行ってほしくない由里。 父がいなくなったら… また地獄の日々が始まるのだから…

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