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第22話《孤独と衰弱》

由里が納屋に閉じ込められて三日が過ぎた。 何も食べさせてもらえず…体力もだんだん落ちてきた由里。 雨水を貯めてあるかめの水でなんとか生きながらえていた… 納屋は一度も開かない… 空腹と暑苦しい空気を吸っていたため…身体は熱っぽく頭がぼーっとしてきて、だんだん動く元気がなくなってくるが… もう少ししたら出してもらえるかもしれないと…少しの希望を胸に…一人頑張る由里。 しかし… そんな由里の思いは裏切られていく… 一日…さらに一日…、時が過ぎていき… 閉じ込められて五日が過ぎた… 食べ物も摂取できず…弱り切って納屋に横たわっている由里。 薄暗い納屋、朦朧とする頭では…もはや日にちを数えることすらできなくなっている。 水…飲みたい… でも…身体が重たくて…動かない… 「…死ぬ、のかな…」 朦朧とする意識の中で… ふと、そんな感覚が意識を支配する。 死ぬ…って、どういうこと? 人は…死んだら…どうなるの? 「母さん…教えて…」 かすれた声で呼びかける。 「……お母さん」 もう一度呼ぶ…顔も見たことがない母… 本当の母は死んでしまった。 自分を産んだせいで… 不意に義祖母の怒鳴り声が頭の中に響く… 『あんたが母親を殺したんだ』 ぼくが生まれたから… 母さんは死んだ… 『本当は父親に恨まれてるんじゃないか』 父さんから…母さんを奪ったから、恨まれても…しかたない… ぼくは…人殺しだから… 本当の母さんを死に追いやった… 「ごめんなさい…父さん、もう…奪わないから…」 父さんの大事な人を…奪ったりしない… 義母さんを…

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