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第31話

由里が入院してから数日がたった。 両手をベッド冊に繋がれて… 身動きとれない状態で… 義母に言われたとおり、医者やナースとは口を聞かずに過ごす。 ここにはまったく自由がなかった… トイレもお風呂も自由にいけ行けない。 真っ白な天井を見て過ごす孤独な時間…… 由里は一刻も早く家に帰りたかった… 殴られたり…けなされたりひどい目に合う場所だけど… それでも自分の足で立って歩ける。 こんな不自由な思いはしない… (ここは白い檻だ…) だんだんと精神も衰弱してくる。 「さ、北上くん、消毒しましょうね」 朝晩ガーゼを替えにくるナース… 「や…触らないでっいやだ、痛い!」 由里は自分を拘束して痛いことをする人と認識して、ナースや医者を悪者として見るようになっていた… そのため医師たちには、拘束を外したら暴れる子どもと認識され、いつまでも拘束を外してもらえない由里。 由里の思いなど考えもしない義母たち… 着々と由里を追い出す計画を進めていく… 義母が障害のことを医師に相談すると… 「ショートステイ?」 「はい、知的な障害や精神に障害を持つ子どもや大人が集まって生活する施設があるんですよ、息子様も、少しの間、自宅ではない施設で様々な子どもと関わることで何か刺激になるのではと思いまして、どうでしょう?」 医師は親切心で教える。

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