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第42話
そして、恐る恐る家に上がる由里。
「ちょっとアンタ!」
ビシッとした声が由里に浴びせられる。
義母だ……
由里は反射的にビクっとする。
「なんで昨日、典之さんから電話があるコトを黙っていたの!?」
「えっ…」
「わざとねっアンタわざと私を陥れようとして…っ邪魔者のアンタなんか、施設に捨ててやるんだからッ」
ガッと由里の髪の毛を掴んで怒りをあらわにする義母…
「嫌だ…なんでもするから、施設に行きたくない…ここに居たい…ここに居させて、お義母さん…」
そう健気に頼む由里だが…
義母の心には届かない。
「アンタなんかに母と呼ばれたくないっ必要ないっていうのがまだわからないのっ」
さらに怒鳴る…
「……っ」
必要とされないことのつらさ…
言葉を無くす由里…
「いい、アンタが典之さんに心配かけるから、典之さんは仕事を犠牲にしてまで戻って来ているのよ!往復どれだけのお金がかかってると思ってるの!?」
頭の上から怒鳴る義母…
「…ごめんなさい」
自分のせいでお父さんに迷惑がかかってしまってる。
「今から典之さんに電話して言いなさい!しばらく帰ってこなくても大丈夫って、これ以上迷惑をかけないようにっ」
今、典之が帰って来たら…由里への虐待のことがばれてしまうかもしれない…
そう思い義母は由里に典之が帰ってこないように、言わそうとする。
「……」
「返事は!?」
ビシっと言う義母。
「…は、はい…」
本当は今すぐ帰って来て欲しいけど…お父さんに迷惑はかけたくない…
つらい思いで頷く由里…
そして…義母は由里の父、典之へ電話をかける。
電話が繋がり、しばらく典之と話す義母。
典之に昨日の電話を急に切ったことを謝り言い訳をしているようだ。
そして…次は由里。
「ヨシヤス…お父さんよ」
威圧した冷たい目線で呼び、受話器を渡す義母。
「はい…お父さん?」
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