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第43話

昨日の約束を破ってしまっているから、怒られないか不安な由里… 『ヨシヤス?大丈夫か?昨日は…』 「ごめんなさい、約束をしたのに…嫌いにならないで…」 必死で謝る由里… 『何を言ってるんだ、嫌いになるわけないだろう…お父さんはいつでもヨシヤスの味方だ』 優しい言葉… 「うん…」 早く会いたい… 本当は… 『由里、お父さんな…』 しかし義母が早く言えと、由里の手に爪を立て睨みつけてくる。 「ッ、と、父さん、ぼく大丈夫だから…心配しないで、お仕事の邪魔、したくないから…」 父の言葉を割って由里は言わされていることを伝える。 『ヨシヤス…』 「お仕事、大変なの知ってる…だから、しばらくは…帰ってこなくても、大丈夫だよ…」 『ヨシヤス…それは本心なのか?言わされているなら言わなくていい…おまえは父さんに会いたくないのか?』 少し義母にも不信感を持つようになり、ヨシヤスに問う父… 「……会いたいっ」 優しい父の言葉につい本音が零れる。 しかし… その言葉を言った途端、義母が由里の髪をわしづかみにし睨みつける。 『ヨシヤス?』 「…ううん、大丈夫帰って来なくてもいい、お仕事頑張って」 びくっと恐怖心から義母の思う言葉を伝える由里。 少し声が震える。 『……ヨシヤス、父さんと一緒にこっちで暮らすか?』 不審に思いながら、続けて話す。 「えっ…」 思わぬ言葉が胸をうつ… 一緒に…父さんと? 『考えておいてくれ、じゃまたな…つらいことがあるなら父さんに隠さず教えてくれよ』 「…うん、また…」 そうして名残惜しそうに電話を切る由里… バシッ、不意に左頬を叩かれる由里。 「アンタって子は!なんで言われたとおりに出来ないの!」 義母は由里が父に会いたいと言ったことを怒っているのだ。 「ごめんなさい…」 すぐ謝る由里。

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