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第45話《たすけて》
その日の晩…
夜中0時過ぎ…家主が寝静まったころ。
電話の前に小さい影…
はじめて自分で父へと電話をかける由里…
義母の前では…電話などかけさせてもらえないから…
こんな時間に迷惑になるとか…考える心の余裕が由里にはなかった。
昼間に水を浴びたせいで由里は風邪をひいて…
かなり辛い状態で…
ただお父さんに…
何度かコールがなって…
『…はい、どうした?こんな時間に…』
ようやく電話に出た父…
義母からだと思い問うが…
「……お、父さん…」
ぽつりと小さな声で呼ぶ由里。
『ヨシヤス!?どうしたんだ!?』
驚く父…
「…助けて…」
かすれた声で…精一杯の言葉を…
『え…?ヨシヤス?』
「っ…けほっ、コホッ」
抑えていたが、咳が出てしまう。
『おまえ…風邪をひいているのか?』
「なにをしてるの!?」
厳しく呼ぶ声…
由里の咳に気付いて起きてきた義母。
「っ…」
その声にビクッと身体を震わせる由里。
とっさに電話を切る。
「……っ」
「そんなところで何をしているの!?まさか、電話をかけていたんじゃないでしょうね…」
「ち、違う…喉がかわいて…」
「そんなに喉が渇いたなら納屋の溜め水でも飲めばいいわ、出ていきなさい!うっとおしい!」
そう憎々しげに言うと、家の外まで由里を追い出す…
「か、義母さん、中にいれて…けほっ」
裸足のまま追い出され、か細い声で願うが…
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