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第46話
「うるさいわねぇ、また納屋に閉じ込められたいの!?」
「……っ」
それだけは嫌だ…
死を実感した場所だから…行きたくない。
言葉を無くす由里…
「ふん」
義母は玄関を閉め鍵をかける。
再び外へ追い出された由里…
諦めて家の裏で寝ることにする。
熱のせいで悪寒がはしり…身体が怠くて苦しい…
ガタガタと震える身体を丸め…
冷たい板の上で意識を失うように眠りにつく由里。
翌朝……
目を覚ましたのは10時頃…
しかし身体が重くて動けそうにない…
かなり熱が上がっている感覚…
そんな状態の由里だったが…冷たい仕打ちはまだ続く…
「こんなところに隠れていたのかい、さっさと来るんだよ、この家にいたいなら働いてもらうからね、さっさと畑の水やりにいきな…」
水やり用の道具を投げつけながら横暴に言うのは義祖母。
「っ…ぅ」
道具をとって、なんとか畑へ行こうとするが…フラっと体勢を崩し倒れてしまう。
身体が、苦しくて苦しくて…
「ぐずぐずすんじゃないよ!」
義祖母は由里を容赦なくホウキの柄で叩きつける。
「痛っ…ぅう…」
なんとか立ち上がって逃げるように畑へ行く由里。
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