69 / 129
第69話
「ど…しよ、どう、したら、お父さんがッ、だれかっ…」
由里は思うと同時に外へ駆け出す。
そして一度も行ったことのない隣の家の戸を叩く…
誰か、お父さんを助けて!
その思い一心で…
夜遅いため、隣の奥さんが怪しみながら出てくる。
「お願い!助けてっお父さんが苦しんでるっ早く!」
必死に頼むが…
「えっなに?」
慌てていたため早口の方言になってしまい上手く伝わらない…
由里は隣の奥さんの手を引いて家まで連れてくる。
それでようやく事態に気付いた奥さんは救急車を呼んでくれた…
由里は救急車に運ばれる父を追って行くが、救急隊の人が子どもだからか、由里を救急車に同乗させてくれない。
それでも泣いてでもついていく由里…
自分には、お父さんしかいないから…
父の傍を離れなくない。
病院に着いて処置室へ運ばれる父…
ともだちにシェアしよう!