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第83話

「殺しゃしねーよ、ちゃんと帰してやる…」 耳元で囁いたあと、由里の身体を抑えて緩く腰を前後させるカオル。 「ァッ!…や、痛ッ」 動く度に繋がっているあたりが痛んで…早く解放されたくて男を押して嫌がるが… 「だから逃げんな、しっかり目ェ開けて、どうなるか最後まで見てろ!」 由里の両手を掴んで無理矢理押さえ付ける。 「ひっ、ぅっおとうさ…、」 泣きながら心の支えの存在を呼ぶ由里。 「また…それかっ」 カオルは呆れたように怒鳴る。 「ふ…ッ」 ビクッと震え… 「ってめーが、そうやって親父ばかり頼って心配かけてるから…親父もストレス溜まって病気になんだよ、全部お前のせいだ…」 由里の左手首に巻かれている包帯を緩め外しながら… 「っそんなっこと、ぅ…いゃ、ふっぅ…」 また大粒の涙が溢れる。

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