108 / 129
第108話
コウヤは歩き出す前に、ふっと振り返って、ユウをひっかけそこね、ちょっと残念そうに引いていた、今日の撮影相手に微笑み…
「あぁ、それからユウ、あのお兄さんはね、新人あさりで有名なんだ、何かされたら俺に言って来るんだよ?」
にこやかに相手を牽制しながらユウに教える。
「こ、コウヤ先輩!」
その笑顔の牽制に押されながらも、そんな言い方はないじゃないですか、と声をだす。
「ふ、返事は?ユウ」
その後輩を鼻であしらって、ユウに返事を催促する。
「は、はい…」
なんだかよく分からないけど、一応頷くユウ。
「うん、よろしい。いこうか…」
そう満足して、コウヤはユウを連れていくのだった。
ともだちにシェアしよう!