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第108話

コウヤは歩き出す前に、ふっと振り返って、ユウをひっかけそこね、ちょっと残念そうに引いていた、今日の撮影相手に微笑み… 「あぁ、それからユウ、あのお兄さんはね、新人あさりで有名なんだ、何かされたら俺に言って来るんだよ?」 にこやかに相手を牽制しながらユウに教える。 「こ、コウヤ先輩!」 その笑顔の牽制に押されながらも、そんな言い方はないじゃないですか、と声をだす。 「ふ、返事は?ユウ」 その後輩を鼻であしらって、ユウに返事を催促する。 「は、はい…」 なんだかよく分からないけど、一応頷くユウ。 「うん、よろしい。いこうか…」 そう満足して、コウヤはユウを連れていくのだった。

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