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「キスしよう。」
逃げる渋谷を捕まえる。
(嫌だ……恥ずかしいし……
キスされると訳、分かんなくなるから。
やめて。しないで……)
…………何それ。可愛すぎるんだけど。
思わずムラムラしてしまい悶えそうになる。
「じゃあ、ハグだけ。」
そう言って優しく抱きしめる。
(お試し一週間OKしちゃったけど、こういう事も込みなの!?
上條の奴、キ……キスばっかりしてくるし……
なんか上條、良い匂いだな。
ハグって温かいんだ……
…………って!違うだろ!!
世間の恋人達は皆、こんな恥ずかしい事してるのか!?あー!どうしよう!!絶対に今、真っ赤になってる!)
もう。何それ。
渋谷って本当に可愛い。
こんなに奥手で色恋に弱いなんて……
「照れてる顔、可愛い……」
思わず言ってしまった言葉に、渋谷は絶句してる。更に赤くなった頬を撫でた。
「や、やだ……離せよ。」
渋谷は真っ赤になって困った顔をしてる。
そんな可愛い顔で『やだ』とか言われても……
…………ちょっと理性が保たないかも。
潤んだ目がやけに色っぽくて、ドキドキしてしまう。
いつもは元気キャラ。
こういう時は照れ屋……とか。
ツボ過ぎる……!
肩に手を置いたら、渋谷は震えてる。
ゴクリと自分の息を飲んだ。
…………もう一回、キスしたい。
(嘘!キスされる!?
ハグだけって言ったのに……!
キスしないで。
昨日みたいの……無理……!)
「ごめんね。」
堪らなくて抱きしめてから唇を奪った。
(ぅ……また、舌が入ってきた!
やめろよ!やらしいキスするなって……
やだ……ダメ……
力が入らなくなる……)
可愛い渋谷の心の声にキュンとしてしまう。
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