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予兆 3 菅井side
菅井side
「やあ。」
ドアを開くと案の定部屋の外でそいつは座って待っていた。
小さい頃から関わりがあったが、性格はどちらかというと真反対で合わない、というか、まず好きではない。
小中高と同じ学校で、仕事上、今も切っては切れない関係。
つまり腐れ縁だ。
「すまん、今日は無理だ。今度埋め合わせる。」
そう言ってドアを閉めようとするが、足でそれを制止された。
「っと…!」
笑顔を向けてくる。
「別にそれはいつでもいいんだけどさ、あんなもの見せつけられて、興味湧かない人間いると思う?」
「それはお前が勝手に俺ん家あがりこんだだけだろ。」
「まあ、ああいう状況だとは想像もつかないし?それに浩は最初から諦めてるでしょ?」
部屋の中を指差し首を傾げてくる。
面倒くさいが、今ここで帰せばもっと面倒くさくなる。俺は渋々こいつを部屋に入れることにした。
「騒いだらぶっ殺すからな。」
「物騒なもんだね。」
こいつ、俺の腐れ縁、島原陸斗 は飄々と笑いながら俺よりも先を歩いて行った。
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