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レデル ケンside

内田の家を後にし、アジトに戻る途中の路地裏で頼斗さんは再び煙草に火をつけた。蒸(ふか)した煙が暗闇に消えていくのを俺はぼーっと見ていた。 「ケン、佐伯和に随分惻隠していたみたいだが、惚れたか?」 頼斗さんの口から出た思いもよらぬ言葉に、ばっと立ち上がる。 「いやいや!それはないっス!……ただ、あの子を見てると成や実を思い出して…。」 「会いたくなったか。あいつらの事、弟のように可愛がっていたもんな。」 「あ….いえ、そう言うつもりじゃ…。」 皮肉めいた笑いを漏らす頼斗さんに、しまったと思う。 「ケン、忘れるなよ。あいつらは裏切り者だ。俺たちの本来の任務はキアロを潰す事。情けは捨てろ、命取りになる。」 短くなった煙草の灰がぽとりと落ちたのを見て、頼斗さんはそれを軽く踏み潰した。 「にしても、どいつもこいつも、あのバカ弟んトコのボスに持ってかれちまったなァ。」 気にくわねぇ。 そう言って2本目を咥えて歩き出す。 「ケン。」 「は、はい!」 「佐伯和とキアロの関係、詳しく調べるぞ。案外かなり使えるかもしれねぇ。」 そうして俺たちは路地裏の闇へと消えて行った。

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