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僕と影 3

休憩など出来るわけない。 自分の事が何も分からない。しかし、目の前にその答えがあると思うと、早く見つけたくて気が気じゃなかった。俺の手は止まらずに次から次へと段ボール箱から物を出していく。ばくばくと煩い音を鳴らす心臓。少し震える手。 物を取り出しては、これも知らない、これも分からない、と横に放り投げてまた新たな物を求めて段ボール箱に腕を突っ込んだ。 そして、最後のひとつになった時、底から顔を覗かせたのは、綺麗に包まれた板のような物だった。 何か予感がして、心臓の音がより大きく聞こえる。 ゆっくりと丁寧に包装紙を剥がすと、出てきたのは、空に浮かぶ飛行機の絵だった。 真っ青な空に吸い込まれていくように飛行機が上へと飛んでいる。まるで、天国に昇っていくような… ───『ねえ、僕のお母さんはどこにいるの…?』 『…母さんはな、この空のずっと先…天国にいるんだよ。』─── 「!!……っぁ…」 一瞬頭の中に流れた、何か…。 覚えがある。それは、かなり昔の懐かしい記憶。 この絵と同じ景色を父に肩車されて見ていた光景が映し出され、これをキッカケに走馬灯のように、頭の中で色んな光景が次々に駆け回っていった。 不意に、ずき…と頭が痛くなって。すると、流れていたものが中断され、視界が真っ暗闇に包まれてしまう。 ───『逃げるな…人殺し…。』─── 「……ぁ、…あ…。」 はっきりと聞こえたその声。 思い出した…。 俺は────……。

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