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僕と光

今、幸せか。 そう聞かれて、僕は迷わずに答える。真っ直ぐに叔父さんの目を見て。 「はい。幸せです。」 「よかった…。」 安心した、そう言って叔父さんは、僕の手を両手で包んだ。手から体温が伝わってくる。…暖かい。 「ずっと言いたかった… 生まれてきてくれてありがとう────。」 その言葉を聞くと同時に自然と涙が溢れた。頭で理解するよりも先だった。 力強く優しい声に、「はい。」と僕もしっかりと答える。すると、ぎゅっと抱きしめられて、僕は叔父さんの胸の中で泣いた。 暫くして浩の焦った声が聞こえてきて、叔父さんの体がゆっくりと離れた。そう思ったら今度は後ろから愛おしい体温が僕を包んだ。 「えっ、和、何言われた…?あんた…和に酷いことを…」 「違う、…嬉しくて、泣いてるの…。」 「ぁ、えっ、え?」 よく分からないと言うように戸惑う浩の様子を見て、叔父さんはくすりと笑う。それから、「邪魔しちゃ悪いかな。」と言って軽く僕に会釈をし、その場を去っていった。 「か、かず…、大丈夫か?何があった…」 今だにおろおろしている浩。僕も何だかおかしくなってきて、ふふ、と笑う。 「浩、これで全部清算出来たよ…。母さんも聞いてて…。」 そして、僕は浩に向き直す。目を真っ直ぐに見れば、不安そうに綺麗な目がこちらを見ていて…。 「浩、僕とまた、お付き合い…してくれませんか…?」 はっと息を飲む声がする。それから、手桶がカコン、と地面に落ちる音が聞こえてきて。僕は浩の胸の中に収まった。 「和っ…!愛してる。一生幸せにする。だから…、結婚しよう…!」 思っても見なかった告白の返しに僕は驚いていると、浩は跪いて小さな箱を開ける。その中にはシルバーの指輪が嵌まっていて。 また、涙が頬を伝う。 母さん、僕はとても幸せです。今日は母さんの前でいっぱい泣いてるけど…。これは悲しくて泣いてるんじゃないよ。 今まで、僕は何度も過ちを犯してきたけど、もう間違わない。 母さんに貰ったこの命、大切に、精一杯全うして……、そして、僕は幸せになるよ。 「はい…。こんな僕を、宜しくお願いします。」 冬の雲ひとつない、真っ青な空。 抱き合う2人を祝福する様に、一筋の飛行機雲が空高く、真っ直ぐに浮かんでいた────。

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