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1-10 課長さんは気苦労が絶えない!
四六時中、頭の中がいっぱいで何も手につかないくらい。
胸が張り裂けそうだ。
オレは今、恋をしている!
「あーん!真壁課長に彼女いたなんてショックぅ!」
バサバサのつけまつげを羽ばたかせながらゆとり世代の申し子、OL版ミナミと名高いエイコが叫んだ。
ミナミとエイコはゆるい波長が合い、度々ランチを共にする弁当友達であった。
まさにゆとりカップルと会社では冷やかされるが2人はただの友達である。
本日も会社の食堂の端っこで2人は弁当を広げていた。
「狙ってたのにぃ」
「エイコは無理でしょ…」
エイコと真壁の釣り合いの取れなさは
流石のミナミでも理解出来た。
というのもエイコはスーパーが付くほどの尻軽であり、
多い時で一度に4人と付き合っていたらしい。
「…それよかオレその人のこと好きになっちゃって…」
「えっウソ!ガチでー?一目惚れいいじゃん」
エイコは興味津々に目を見開いた。
「でもさぁ名前も知らないんだよね…どうしたらいいかなぁ」
ミナミは頭を抱える。
頭の中はあのチャイナ服を可憐に着こなした女性でいっぱいだった。
エイコは、うーんと顎に指を当てて考えている。
「そのコさあ真壁課長の知り合いなんでしょぉ
だったら真壁課長にライン聞けばいいじゃーん」
エイコの言葉にミナミは思わず立ち上がる。
「それだ!エイコ天才!?」
「えっへっへー」
エイコはピースサインをしてだらしなく笑った。
当たり前のことをさも大発見かのように2人ははしゃいだのだった。
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