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1-15 ファンファンデートデート!

男は慌ててミナミから離れる。 「その子自分のツレなんやけど何かご用事?」 背の高い男はにこにこと微笑んだまま小首を傾げる。 金髪男は口元に引きつった笑みを浮かべた。 「いや、ちょっとお話ししてただけです…ではっ」 走り去っていく金髪。 ミナミはその派手髪よりも 目の前に立つスーツ姿の背の高い男に釘付けになっていた。 背が高いだけではなく体型も割としっかりしているし、 顔も爽やかで整っているが優しげな表情をしていて 物腰も柔らかいし立ち姿もスマートで、 男としてミナミにないものを全て兼ね備えたような男だった。 しかしその雰囲気といい姿といいミナミは何故か見覚えがあった。 何故だろう、誰だっけ。 こんなかっこいい人忘れるはずはないんだけどな。 「あんなん上手いこと言って とんでもない所に連れて行かれるからなぁ 気をつけなあかんよ?」 ぼけっとアホ面で見上げていると男はため息をつきながらそう言ってくる。 その声や喋り方で思い出した。 「もしかしてチャイナさん…袖野さんの…お兄さんですか!?」 「そうそう、妹がお世話になってます…ってんなアホな!」 「へ?」 男はノリツッコミをした後、ケラケラと笑い始めた。 意味がわからずミナミは彼を呆然と見上げる。 「ボクが袖野なんですう。 まさか本当に女の子って思ってたん?」 「え…?え?袖野…さん?」 「騙すつもりはなかったんよ。 ていうかむしろ騙される人がいるなんて思わんかったし」 彼は、世の中広いんやねえ、と頷きそしてまた笑い出す。 ミナミは急になぞなぞをふっかけられ暫く思考が止まっていた。 つまりあの時のチャイナさんは目の前のかっこいいお兄さんで、袖野さんは袖野さんで。 「そんな……女装だったってことっすか…?」 ようやく謎が解け、ミナミは呆然と呟く。 その言葉に袖野はまた噴き出す。 「あーまあそうなるわな… 女装ってレベルでもなかったと思うけど… 本当面白いわーミナミくん」 笑いすぎて出てきたらしい涙を拭っている袖野を見上げる。

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