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1-24 関係ない!

久々に全力疾走をしてしまい、袖野は横腹が痛くて抑えつつも やっと店などが並ぶ賑やかな通りにたどり着き立ち止まった。 「はあ…はぁ……っ」 呼吸を整えながら隣を見るとミナミは以外と平気そうだった。 「ビックリしたー急にどうしたんすか?」 ミナミは何故か嬉しそうに微笑んでいる。 袖野はツッコミをいれる気も失せ、ははは…、と乾いた笑みを浮かべた。 「ミナミくんは…大らかなのか…逆にキャパが狭すぎるのか…」 壱と全しか捉えられないのか寧ろ壱しか捉えられないのか…。 彼の脳を解明してほしいものである。 「…袖野さん良い人っすね」 「はえ?」 横腹の痛さに体を曲げていた袖野に ミナミはまた何故今出てきたのかわからないような事を呟く。 彼を見るとミナミは意味深に、ふへへ、と笑っては 掴まれたままの手を嬉しそうに見つめる。 「オレやっぱ袖野さんのこと好きだなー」 また何故、突然そんなことを言うのか。 袖野にはわからなかったが、不思議と悪い気はしないもので。 そんな自分の気持ちもわからなくて。

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