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2-3 ラストオブ恋

最近、恋人が出来た。 それもオレには勿体無いくらい格好よくてめちゃくちゃ優しくてすごく大人な恋人だ。 でも優しすぎて、時々不安になってしまう。 彼から送られてきたメッセージをぼんやり見ながらも小さくため息をつく。 ほくとさんはオレを凄く大事にしてくれるけど、オレはほくとさんにとって何か役に立っているのかなぁ。 ここ数日なんだか疲れた様子の彼に何かあったのかと聞いても、 なんでもないよと笑うだけだし それって逆に気を使わせてしまっているんじゃないだろうか。 オレって頼りないのかなあ。 そんなことを考えていると後頭部に軽い痛みが走り思わず、痛っ、と声が溢れる。 「堂々とケータイいじんな平社員」 振り返ると丸めたコピー用紙を持っている鬼課長こと真壁ヨコが睨んでいた。 ただのコピー用紙が竹刀のようにも見える。 更に、ミナミには彼の背後に"私は頼れる男です"という文字が浮かんで見えた。 そうだ真壁課長は頼れる男なのだ。 ミナミは縋るように彼の裾を掴んだ。 「真壁課長ーオレは頼られたいんです」 彼は他の社員や女子からも頼られている。 一度しか会ったことないが彼の恋人もべったり頼っていた気がする。 どうすれば彼のように頼れる男になれるかとジッと見つめるが、 その涼やかな目元は驚いたように見開かれる。 「...よー言えたなお前... こんなに頼りないを体現してる奴他に見たことねえよ」 「えー!ひどいっす!どこが体現してるっていうんすか!」 ミナミは遺憾に思い、立ち上がりかけたが 再びコピー用紙でぺこっと頭を叩かれモグラ叩きのモグラのように着席してしまう。

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