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2-15 大人あるある

相変わらずのクオリティに袖野は呆然と自動販売機上のボンクラ顏を眺めていたが 呆れ果てて愉快になってきてしまい、 その不安げな表情もおかしくてゲラゲラ笑ってしまう。 「...っあかん面白すぎやろミナミくん」 「な、なんで笑うんですかぁ....!」 ミナミは何故か顔を赤くしながらも立っていられなくなり 地面にしゃがみ込んで笑い転げている袖野を見下ろしてくる。 しかし笑うなと言われる方が無理な状況である。 「あーもうなんやねん...、 とりあえずボクに会いにきてくれたんやな」 未だにくすくす笑いながらも彼を見上げると、 ミナミは神妙そうな顔で俯いている。 ご機嫌はまだ治っていないのだろうか。 「...ごめんな、言い訳のつもりはないけど 最近忙しくて...時間作ってやれんで」 「いいっすよ。ほくとさんが忙しいのは知ってるし..」 ミナミはそう言い、なんだか複雑な表情を浮かべたので、 複雑な顔も出来るんだなと呑気に観察してしまった。 しかし彼はいつまでそこに乗っているつもりなのだろう。 意図していないだろうとはいえおまわりさんにでも見つかったらことである。 「とりあえずそこから降りよか?」 そう声をかけて受け止められるように両手を広げてやるがミナミはそっぽを向いた。 「....いやだ」 「はい?」 何故かいきなりわがままを発症したミナミに 袖野は強引に降ろすしかないと自販機に近寄った。 「オレは....オレはこんな風にほくとさんを頼るのがいやだ」 「こんな風って....」 自動販売機の上から人間を降ろす作業なんかなかなか出来ないことだろう。 彼の妙なプライドに袖野は苦笑した。 「..なんか怒ってるんか?ボクなんかした?」 袖野がそう声をかけるとミナミはおずおずとこちらを見下ろしてくる。 「.....っ」 自動販売機のライトが顔に近く眩しくて目を細めていると、 ぱたぱたと頬に雫が当たり目を見開かざるを得なくなってしまった。

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