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2-19 大人あるある

仕事行ってきます!良かったら食べてください(よくわからない絵) というような内容の書き置きがテーブルの上に残っていた。 袖野は複雑な気持ちになって頭を掻きながら書き置きの紙を持ち上げた。 「...ごめんなミナミくん」 ご機嫌を直してやりたかったのだが疲労に惨敗してしまった。 しかし書き置きのよくわからない何かの生物の絵はご機嫌そうにも見える。 「.............プレデター?」 目を細めて解読しようとするがわからなかった。 紙をテーブルの上に置くと、ラップのかかった皿も置いてあり もしや彼が朝飯を作ってくれたのだろううかと以外な女子力に感動しながらもラップを開封した。 そこで20秒ほど時間が止まってしまう。 「.....何やこれ」 皿の上には見たこともないような色の物体が載っていた。 緑にも見えるし角度によっては紫のようだ。 さすがミナミくん期待を裏切らないと逆に感心してしまいながらも 食べようかどうしようか迷ったが 作って頂いた以上食べないのも失礼だし、というより怖いもの見たさで添えてあったフォークに手を伸ばした。 「し、しんだらどうしよう...」 苦笑しながらもなんともいえない感触をフォーク越しに伝える物体を気持ち程度切り取って怖々口に運ぶ。 「あれ、意外とおいしい....てか甘...」 なんの味かといえばなんとも形容しがたいのだが、 後で腹でも壊さないだろうかという不安もありつつ充分食べれると分かったのでありがたくいただくとしよう。 久方ぶりの爆睡で、やっとゆとりを持って思考することが可能になってきた。 「......大人になりたい、か..」 昨日泣いていたミナミの言葉を思い出す。 確かに彼は見た目も中身も中学生のようだが、 大人とはそんなにいいものかと思う。 謎の物体を口の中で噛みながら、それでも今無性に彼に会いたくなっている自分は 立派な大人とはとても言えない気がするのだった。

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