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2-21 ファンタスティックデートデートデート!

やがて2人は並んで歩き出す。 駅の改札を抜けて、ホームへと降りていく。 「あのーこの前、朝ごはん...?ありがとうなぁ」 「いえいえ!冷蔵庫の中の勝手に使っちゃってすみません」 「え、そうなん?そんなに特殊なもの入れてたかな...はは..」 ミナミはあまり料理はしないのだが、 あの日は何か力になりたくてクックパッド片手に作ってみたのだ。 よくわからんけどおいしかったよ、とコメントを頂きミナミは大変幸せになるのだった。 「そういえばあの絵はなんだっん?」 「あれは犬っすよ」 「そうか…あれが犬か…」 「可愛くないですか? オレ好きなんですよねーシェットランドシープドッグ」 「マニアックやな!」 こうやって並んで歩いて、何気ない会話の一つ一つがいちいち楽しくて。 改めて彼のことが好きなのだと思い知らされる。 側にいられる。 それだけでこんなに幸せだなんて。 やばい。これは映画化だ。映画化決定並みの純愛だ。 一人で勝手にそう思ってニヤニヤ笑っているミナミであった。

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