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2-22 ファンタスティックデートデートデート!
相変わらず袖野のイケメンエスコートでデートは進行していった。
大人のカップルがいくようなおしゃれなショッピングモールであったり
リゾート感のあるカフェでインスタジェニック溢れるランチであったり
ミナミが女子大生であったなら明日学校で自慢しまくりストーリーにあげまくりなデートであっただろうが
ショッピングモールのレゴコーナーでトランスフォーマーを作り上げ
カフェのハワイアンなダンサーに拉致されてレイまみれになり、その他歩くたびに非日常を引き連れるミナミに
暫く滑らない話に事欠かないだろうと思われているとはつゆ知らず
ミナミは大層ご機嫌だった。
辺りはすっかりオレンジ色に染まり、海辺の公園を並んで歩きながら
ミナミは手を繋ぎたかったのだが、
言い出せずにオレンジ色に染まった彼の横顔を盗み見ていた。
オレの恋人は本当にかっこよくて、スマートな大人だ。
なんでも笑って許してくれて、彼といると心地良くて
それが誇らしくもあり、
ずっと追いつけない人のようで寂しい気もするのだった。
「いやーミナミくんといると飽きないなぁ」
「...それっていい意味ですか?」
「勿論。こんなレイで埋もれてる人ハワイでも見た事ないで」
袖野はそう言いながらミナミがカフェで装備させられた大量のレイにモサモサと触れて笑った。
その笑顔を見ると胸がきゅんきゅんと締め付けられて
無性に抱きつきたくなってしまう。
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