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2-24 ファンタスティックデートデートデート!

彼は何も悪くなくて、自分が子どもすぎて、勝手に泣いたりするからそれが恥ずかしくて。 ただ、嫌われたくなくて。 「ほくとさんは、優しくて、かっこよくて、 なんかカストリウムっぽい匂いもするし、 みんなが呆れるようなオレのこと、いつも面白いって言ってくれる…」 「え?何?カストリウムって何?」 「本当に、オレには勿体無いくらいすごい人だと思う。 けど、そんなほくとさんのこと大好きだから、 一緒にいたいと思うし嫌われたくない...」 「あああ気になっていい台詞が」 袖野は頭を抱えていたが ミナミは本当に泣いてしまいそうになって唇を噛んだ。 「……ありがとうな、ミナミくん。 正直そんな風に言ってくれるのはミナミくんだけやから ボクの方が愛想つかされないかいつも怖いんよ?」 彼はそう言ってまた優しく頭を撫でてくれる。 その大きな掌の温もりにとても安心出来て ミナミは改めて、この人のことが大好きなのだと思うのだった。 自分は本当に、幸せだ。

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