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2-33 なんでもない。

「...っ、あ...」 ぎゅっとキツく締め上げると彼は熱い吐息を零す。 そのため息にも似た甘い響きが脳を犯して、 体を折るように彼の上体を倒した。 「ッ...ん...はぁ..」 「痛い?」 そう聞くと彼はまた首を横に振る。 彼の片手を背中に固定し、ぎり、と強く縛った。 「じゃあもっと強くするね?」 「...、い..っ、ァ...」 乱れた呼吸を繰り返し、泣いているように鼻をすする彼の肌の上を指先が移動する。 胸を撫でて、突起に指が触れると彼の体はびくんと跳ねた。 引っ掻くように指先で弄ると、突起は硬く尖り始める。 「縛られてここ硬くしていやらしいな、鈕」 「は..ぁ...、っ..ほくとさ...」 耳朶に噛み付きながら突起をつまんで引っ張ると、彼の自由な片手がシーツを掴んだ。 胸から手を離し必死に耐えているような彼の口に指を突っ込んだ。 「ん、ぐ...っ、ん"..」 二本の指で彼の舌を捕まえ、弄くり回すと だらだらと唾液が溢れて掌まで濡らしていく。 咳き込みながらも指を突っ込まれ続ける彼に、たまらなく欲情してしまって 自分のダメ加減に内心呆れるのだけれど。 指を引き抜き、腰をあげさせ蕾を探った。 「あーあ。シーツ汚しやがって」 「っ.....ごめん、なさ..」 彼が謝っている間に、中指を彼の体内へと突き刺した。 唾液で濡れているがかなりの抵抗を見せつつも、指は飲み込まれていき彼は黙り込む。 「..は...ーっ...はぁ...」 怯えているような呼吸音が続く。 ゆっくりと抜き挿しを繰り返しながら背中に口付けた。

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